【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
王太子の言う「上」とは、国王しかいない。つまり、国として懸念しているということか。
「なんでここがこれだけ儲かっているかわかるかい? 最近では、魔獣討伐に同行する魔導士のほとんどが、メリネ研究所の奴らだからだよ。なにより国家魔導士は君と組むのを嫌がっているからね」
ライオネルはこめかみをひくりと震わせた。これはユースタスが遠回しに嫌みを言っている。
ライオネルと国家魔導士の相性が悪く、魔獣討伐に同行してくれるような魔導士らはいなくなった。しかし、魔獣討伐においては、万が一の不測の事態に備えて魔導士を一人、二人同行させなければならない。いくらライオネルが断っても、規則であるがゆえ絶対だそうだ。そしてその依頼先が、メリネ研究所に所属する魔導士らとなる。
つまり、メリネ魔法研究所が潤沢なのは、魔獣討伐を依頼している軍のおかげともいえるわけで。
と、ユースタスはそれを遠回しに指摘しているのだ。
「それにね、ライオネル。私は、言ったよね? 私に文句を言うのは、君が総帥になってからにしろって。軍の規則、わかってるかな? 将官以上は妻帯するのが条件ね?」
それはライオネルもわかっている。大佐までは異例の早さで昇進したというのに、そこでパタリと止まっているのは独身だからだ。
「だからさ、この相手。君にとっては悪くはない相手だと思うんだよね」
「なんでここがこれだけ儲かっているかわかるかい? 最近では、魔獣討伐に同行する魔導士のほとんどが、メリネ研究所の奴らだからだよ。なにより国家魔導士は君と組むのを嫌がっているからね」
ライオネルはこめかみをひくりと震わせた。これはユースタスが遠回しに嫌みを言っている。
ライオネルと国家魔導士の相性が悪く、魔獣討伐に同行してくれるような魔導士らはいなくなった。しかし、魔獣討伐においては、万が一の不測の事態に備えて魔導士を一人、二人同行させなければならない。いくらライオネルが断っても、規則であるがゆえ絶対だそうだ。そしてその依頼先が、メリネ研究所に所属する魔導士らとなる。
つまり、メリネ魔法研究所が潤沢なのは、魔獣討伐を依頼している軍のおかげともいえるわけで。
と、ユースタスはそれを遠回しに指摘しているのだ。
「それにね、ライオネル。私は、言ったよね? 私に文句を言うのは、君が総帥になってからにしろって。軍の規則、わかってるかな? 将官以上は妻帯するのが条件ね?」
それはライオネルもわかっている。大佐までは異例の早さで昇進したというのに、そこでパタリと止まっているのは独身だからだ。
「だからさ、この相手。君にとっては悪くはない相手だと思うんだよね」