【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
「だが、おまえ一人では危険だな。俺が護衛としてついていけばいいんだな?」
「さすが、ライオネル。話が早くて助かるよ」
「カタリーナ、おまえも同行しろ」
「え? わたしもですか?」
 てっきりカタリーナとしての役目は、魔導書の解読までだと思っていたのだ。実際に隠し部屋を見つけるために現地に足を運ぶことになるとは思ってもいなかった。
「おまえほど古代文字に精通している者はいない。古代文字がわかるということは、古代魔法もわかるということだろう?」
「ですが、わたしは魔導士ではありませんので、魔法は魔法具を使ったり、生活に基づく生活魔法だったりと、それしかできませんが?」
「それは安心していい。誰もおまえに魔導士としての役割は期待していない」
 ライオネルの言い方は相変わらず棘がある。
「リーナ。心配しなくていいよ。私だって王族だからね。王族にはそういった魔法を使える力が備わっているんだよ」
 ライオネルにえぐられた心の傷を、まるでユースタスが癒すかのよう。
< 181 / 237 >

この作品をシェア

pagetop