【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
 その言葉に、ライオネルもアンヌッカも首を縦に振る。ここは見栄を張っているところではない。とにかく、事実を明らかにするだけ。
「だが、この魔法具によれば個々の魔力量を強制的に増加させることで、魔法を発現させる水準にまで引き上げることができるらしい。それによって、魔法具から炎が放たれる仕組みになっているようだ」
「ようは、誰でも魔法が使えるから、誰でも兵士になれるってことか」
 ライオネルの言葉に、そうだとユースタスが頷く。
「なるほどな、おまえの言うようにこの魔法具が武器として流通すれば戦争の道具となる。さらに誰でも使えるというのであれば、貧しい者なんかは金のために自ら手をあげて戦争に向かうだろうな」
「つまり兵士はたくさんいるというわけだ。しかも、使い捨ての兵士がね」
 アンヌッカは両腕で自身の身体を抱きしめた。二人の話を聞き、それらを想像しただけで恐怖が込み上げてきたからだ。
「そんな恐ろしいこと……」
 ぽつんと呟いただけなのに、その言葉をライオネルが拾う。
「そんな恐ろしい研究をして、巻き込まれたのが俺の両親だ」
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