【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
「罠を……張れないかなと思っただけです。もし、十年前からここに出入りしている人間がいるとして、その人がまだ生きているのであれば、この記録簿を書いた人、もしくはこの実験を知っている人である可能性が高いかと」
「つまり、罠を張ったうえでそいつを捕まえたいと、そうリーナは言いたいわけね?」
「はい。この記録簿の存在を知っている人物から話を聞けば、その十数年前の爆発事故の真相もわかるのではって、そう思っただけです」
様子を伺うように、アンヌッカは二人の顔を見上げる。
「ねえ、リーナ。君は何を考えているの?」
「ただ、真実を知りたいだけです。先ほどからマーレ少将が気にされているのは、マーレ少将のご両親が被害者なのではなく、加害者側の人間だったら、ということではありませんか?」
「な、なんだと……?」
ライオネルが目をすがめるものの、そこには動揺の色がにじみ出ている。
「はいはい」
そこでユースタスは雰囲気をぶち壊すように、パンパンと手を叩く。
「つまり、罠を張ったうえでそいつを捕まえたいと、そうリーナは言いたいわけね?」
「はい。この記録簿の存在を知っている人物から話を聞けば、その十数年前の爆発事故の真相もわかるのではって、そう思っただけです」
様子を伺うように、アンヌッカは二人の顔を見上げる。
「ねえ、リーナ。君は何を考えているの?」
「ただ、真実を知りたいだけです。先ほどからマーレ少将が気にされているのは、マーレ少将のご両親が被害者なのではなく、加害者側の人間だったら、ということではありませんか?」
「な、なんだと……?」
ライオネルが目をすがめるものの、そこには動揺の色がにじみ出ている。
「はいはい」
そこでユースタスは雰囲気をぶち壊すように、パンパンと手を叩く。