【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
「なるほど。リーナには金や宝石類よりも魔導書などを報酬にしたほうがやる気は出るようだね」
「そうですね、お金や宝石類は努力すればなんとか手に入れることができますが、貴重な魔導書というのは努力だけではどうにもならないんですよ」
「だってさ」
 ユースタスがライオネルの肩をぽんと叩いたが、叩かれたライオネルは渋面を作ったままだった。

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 王城のどこかに隠し部屋があるというのは、まことしやかに伝えられていたことである。
 それが本当に存在していたとは、ライオネルも自身の目を疑ったくらいだ。
 そこに隠されていた事実は、頭をがつんと殴られたくらいに衝撃的な内容だった。
 だがそれよりも、ライオネルですら気づかなかった本心を、カタリーナに見破られて動揺した。
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