【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
十数年前に起こった魔法研究所の爆発事故。あれに巻き込まれて亡くなった両親だが、あの爆発を起こしたのは父親だったのではないかと、心のどこかで疑っていた。
実験に危険はつきものだとも言うけれど、その危険を誰よりも熟知していたのが父親だ。
だからあんな事故を起こすはずはないと当時は思っていたものの、調査が進むにつれ、もしかしてという疑いがむくりと沸き起こっていたのだ。
だが、一年かけて調査した結果、あれはただの事故として処理された。爆発源となった部屋は跡形もなく吹き飛んでしまったため、何が原因であったのかもわからず、責任の所在すらうやむやになって調査は終了となった。
「ライオネル、何を考えている?」
カタリーナは家に帰した。それでもライオネルの執務室にはユースタスが残っている。それは先ほどの隠し部屋で見た記録簿が原因だ。
誰にも気づかれぬように話をしたい、というのであれば、ユースタスよりもライオネルの執務室のほうが適している。ユースタスは王太子というだけで敵が多い。それは、彼を国王にしたくないと思う一派がいるためだ。
実験に危険はつきものだとも言うけれど、その危険を誰よりも熟知していたのが父親だ。
だからあんな事故を起こすはずはないと当時は思っていたものの、調査が進むにつれ、もしかしてという疑いがむくりと沸き起こっていたのだ。
だが、一年かけて調査した結果、あれはただの事故として処理された。爆発源となった部屋は跡形もなく吹き飛んでしまったため、何が原因であったのかもわからず、責任の所在すらうやむやになって調査は終了となった。
「ライオネル、何を考えている?」
カタリーナは家に帰した。それでもライオネルの執務室にはユースタスが残っている。それは先ほどの隠し部屋で見た記録簿が原因だ。
誰にも気づかれぬように話をしたい、というのであれば、ユースタスよりもライオネルの執務室のほうが適している。ユースタスは王太子というだけで敵が多い。それは、彼を国王にしたくないと思う一派がいるためだ。