【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
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 ロンバール・ディグルスの余罪は、調べれば調べるほどぼろぼろと出てきた。
 この事実に心を痛めているのは、国王だろう。ロンバールは前国王の側妃の子だ。それでも国王は弟として信頼していた面もあった。ロンバールを国家魔導士の筆頭魔導士に取り立てたのも国王であるし、ディグルス公爵の爵位を与えたのも国王だ。
 そういった身内びいきに、他の貴族からは反対の声も上がったこともある。しかし国王はそれを無視したのだ。
「なんていうのかね。結局、いい年した大人の兄弟喧嘩に巻き込まれた感じ?」
「どこの国でも王位継承権が絡めば、血の繋がりのある者同士が一悶着を起こすだろう? それだって考えようによっては、激しい兄弟喧嘩だ。場合によっては親子喧嘩のところもあるだろう」
「君も冗談が通じるようになったね」
 声をあげて、ユースタスは楽しそうに笑う。
 ほんの最近まで命を狙われていた人物とは思えないくらいだ。それを指摘すれば。
「仕方ないよね。命を狙われるのは私たちの仕事みたいなもんだよ。脳天気だった父もね、護衛の数も増やしたし、お偉いさんとこの人事も見直すと言っていたようだし。これに懲りて身内びいきはやめるんじゃないかな」
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