【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
「そりゃ、まぁ、私も。二十歳を過ぎたわけじゃないですか。そういう相手の一人や二人くらい、いるわけですよ。だけどなんかこう、結婚する決め手にかけるといいいますか……」
 サリーがいわんとしていることもなんとなくわかる。結婚してもいいけど、しなくてもいいかなと、曖昧な気持ち。結婚に対して強い憧れを抱けないのだ。
 アンヌッカがそう思っていた原因は、やはり古代魔法の魅力に取り憑かれたからだろう。もっと魔法の研究に没頭したいと思えば、結婚は枷になる。
 相手に理解があり協力をして背中を押してくれるならまだしも、どうしても女性魔導士や女性研究者は、結婚を機に一線から退く傾向はある。
 サリーの現代魔法は自然と調和させるのが特徴であり、そういった点では貴重な魔導士だ。どこかで災害が起これば、その復旧支援のために駆り出されることもしばしば。
 井戸が涸れたと言われれば水源を復活させ、土砂が崩れたと聞けばそれを取り除く。攻撃的な現代魔法を古代魔法のように応用させる点が高く評価されている。
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