【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
「早速で悪いのですが、カタリーナさんにはこの魔導書の解読をお願いしたいのです」
その瞬間、室内にいる者たちの視線が、一斉にカタリーナに向いた。その目は「かわいそうに」と言っているようにも見える。
「はい、ありがとうございます」
白の絹手袋をつけて、イノンから魔導書を受け取れば、ずしっとした重みが手にくわわった。
色がすすけてはいるものの、凝った金の飾り模様が表紙に描かれている。
「うわぁ。この装丁も、素晴らしいですね……あっ。これは……魔法史について書かれているのですね?」
「カタリーナさんは、辞書などがなくても古代文字が読めるのですか?」
古代文字で書かれている魔導書は、その表紙なども古代文字で書かれている。だからまずは、その魔導書が何について書かれているか、表紙の解読から始めなければならない。
「よく見る古代文字は覚えています。魔導書の分類は、魔法史、術式展開、魔法薬の大きく三つですから、まずはこの三つさえ覚えてしまえばいいのです」
おぉっと感心したような野太い声が、室内に響き渡る。
「我々は、元々は諜報部門にいたのですが、古代文字の知識はまったくなかったため、苦戦しているところです」
その瞬間、室内にいる者たちの視線が、一斉にカタリーナに向いた。その目は「かわいそうに」と言っているようにも見える。
「はい、ありがとうございます」
白の絹手袋をつけて、イノンから魔導書を受け取れば、ずしっとした重みが手にくわわった。
色がすすけてはいるものの、凝った金の飾り模様が表紙に描かれている。
「うわぁ。この装丁も、素晴らしいですね……あっ。これは……魔法史について書かれているのですね?」
「カタリーナさんは、辞書などがなくても古代文字が読めるのですか?」
古代文字で書かれている魔導書は、その表紙なども古代文字で書かれている。だからまずは、その魔導書が何について書かれているか、表紙の解読から始めなければならない。
「よく見る古代文字は覚えています。魔導書の分類は、魔法史、術式展開、魔法薬の大きく三つですから、まずはこの三つさえ覚えてしまえばいいのです」
おぉっと感心したような野太い声が、室内に響き渡る。
「我々は、元々は諜報部門にいたのですが、古代文字の知識はまったくなかったため、苦戦しているところです」