【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
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「なんなんだ、あの女は。そしてなんでおまえがここにいる」
 ライオネルはイライラしていた。その原因は二つある。
 一つは、あのカタリーナ・ホランという研究所から派遣されてきた外部の人間だ。ゾフレ地区で発見された古い魔導書。その解読を軍で行おうとしたが、研究部門の彼らが根をあげた。だからといって、魔導士団に依頼するのはお門違いというもの。
 軍の魔法研究部門と魔導士団ではその役目が異なっているからだ。となれば、助けを求める先が民間の研究所となり、それはメリネ魔法研究所しか思い浮かばない。
 ライオネルがあれほど民間の研究所に頼むのを反対したというのに、目の前のユースタスの一言で、そこに依頼することが認められた。
 そしてやってきたのが、カタリーナだったというわけだ。
 他の者と同じように、ライオネルの姿を見てびくびくしながら日誌を突き出してくれればよいものの、いきなり魔導書やら古代文字やらについて熱く語り出した。
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