Devilの教え
アスマはまるでそれが当然だと言わんばかりに、さっきまでのように威風堂々とそこに佇む。
少しだけでいいからコソコソしてくれればいいのに、むしろ多少コソコソしてようやく一般人と同じくらいの存在感になるのに、アスマは惜しみなくその存在感を醸し出し、
「お前さ? 飴か何か持ってねえか? 喉が痛えんだよ。風邪かもしれねえ」
悠長に話し掛けてくる。
だけどあたしの視線はもう“元”彼氏に釘付けで、アスマの言葉に反応する事も出来なくて、
「何だよお前。一体何見て――」
「あ……」
アスマがあたしの視線の先を見ようとしたのと、“元”彼氏があたしに気付いて指差し短い声を出したのは、ほぼ同時だった。
「ああ?」
すっかり自分が指差されたと勘違いしたらしいアスマは、威嚇するような声を出し目を細める。
少しだけでいいからコソコソしてくれればいいのに、むしろ多少コソコソしてようやく一般人と同じくらいの存在感になるのに、アスマは惜しみなくその存在感を醸し出し、
「お前さ? 飴か何か持ってねえか? 喉が痛えんだよ。風邪かもしれねえ」
悠長に話し掛けてくる。
だけどあたしの視線はもう“元”彼氏に釘付けで、アスマの言葉に反応する事も出来なくて、
「何だよお前。一体何見て――」
「あ……」
アスマがあたしの視線の先を見ようとしたのと、“元”彼氏があたしに気付いて指差し短い声を出したのは、ほぼ同時だった。
「ああ?」
すっかり自分が指差されたと勘違いしたらしいアスマは、威嚇するような声を出し目を細める。