【おまけ追加】塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける
シンポジウムが終わると、慌ただしく全員が立ち上がった。
「金山先生、調べたか?」
「もちろんです!
第一会議室が焼肉弁当。第二が焼き鳥&鶏飯弁当。
第三は名物のシューマイが入った中華弁当です」
「お、シューマイいいな!」
「でも聞いてください。
第四が地元で人気の洋食屋が作った、大人さま弁当で、オムライスをメインにハンバーグとエビフライ、あとミニグラタンが付いているそうなんですよ!」
「マジか……。ゴクッ……第四、かな?」
「やっぱ第四ですよね?」
「みんなどうする?」
「第四! 大人さま弁当がいいっす!」
研修医が手を挙げて答えた。
「よしっ」と意見をまとめた森下先生を先頭に、大急ぎでエスカレーターを上がっていく。
私はなんのことかわからず、先生方の後を追いかけた。
第四会議室の前には多くの学会員さんが並んでいた。会場入口には大きな立て看板があり【ランチョンセミナー】と書かれている。
列が進み、入口を入ったところで、金山先生情報の大人さま弁当がお茶と共に配られる。
「間に合ったな!」
「けどここ人気ですね〜。
やっぱ、ランチョンセミナーは弁当で決まりますよね」
席についてから教えてもらった話だと、大きな学会ではお昼時にいくつかの会議室で【ランチョンセミナー】なるものが開かれるらしい。
主催は製薬会社や医療機器メーカーなどの企業で、お弁当を配り、先生方が食べている間に商品の説明をするのだ。
もちろん、来場者数は成績に響く。
だから企業側もいかに美味しいお弁当で先生方を釣るか必死なのだ。
そして先生方も、美味しいお弁当を楽しみにしている。
第四会議室には次から次へと人が入ってきた。
この大人さま弁当はとても人気らしい。
「わ、豪華ー!」
開けてみてびっくりだ。このエビフライの大きさ!
見た目だけで大当たりだとわかる。
「美味いっ! 金山先生、当たりだよこれ」
「間に合って良かったですね。
そろそろ品切れみたいですよ」
お弁当がなくなるのと同時に、会場を閉めているのが見えた。
「やっぱ、今日は中華街ですよね。
ちょっとこれ見てください!」
研修医が食べながら自分のスマホをこちらに向ける。そこには【横浜中華街食べ歩き5選!!】という文字が見える。
「お、焼き小龍包か〜! これはマストだよな。
パンダまんもあったよな?」
金山先生も事前に調べているようだ。
「あります、あります! これですね。
パンダがチョコカスタード。
こっちのブタは角煮が入ってるんです」
チョコカスタード!? 角煮!?
なにそれ、めっちゃ美味しそう!
いいなー。私も連れて行ってもらえるのかな?
焼き小龍包も食べたいー!
スマホを覗き込んでいると、突然永真先生が立ち上がった。
「俺そろそろ行きます」
座って10分も経っていない気がするのに、完食したようだ。
「ああ、そうだな。次発表だもんな。
頑張れよ! 俺達も食べ終わったら、席を確保しに行くから」
「あ、永真先生! 頑張ってくださいね」
「……ああ。行ってくる」
また私の頭をボンッと撫でて、スッと頬に触れてから、永真先生は行ってしまった。
うう……。学会会場に来てからの永真先生が甘すぎる。勘違いさせないでほしい。
「永真先生か」
「永真先生……クックッ……」
「な、なんですか?」
ニヤニヤと笑いながら「永真先生」を繰り返す先生方。
私は恥ずかしさと不安と、少しの嬉しさが入り交じった複雑な気分で、黙々とお弁当を食べ続けた。
「金山先生、調べたか?」
「もちろんです!
第一会議室が焼肉弁当。第二が焼き鳥&鶏飯弁当。
第三は名物のシューマイが入った中華弁当です」
「お、シューマイいいな!」
「でも聞いてください。
第四が地元で人気の洋食屋が作った、大人さま弁当で、オムライスをメインにハンバーグとエビフライ、あとミニグラタンが付いているそうなんですよ!」
「マジか……。ゴクッ……第四、かな?」
「やっぱ第四ですよね?」
「みんなどうする?」
「第四! 大人さま弁当がいいっす!」
研修医が手を挙げて答えた。
「よしっ」と意見をまとめた森下先生を先頭に、大急ぎでエスカレーターを上がっていく。
私はなんのことかわからず、先生方の後を追いかけた。
第四会議室の前には多くの学会員さんが並んでいた。会場入口には大きな立て看板があり【ランチョンセミナー】と書かれている。
列が進み、入口を入ったところで、金山先生情報の大人さま弁当がお茶と共に配られる。
「間に合ったな!」
「けどここ人気ですね〜。
やっぱ、ランチョンセミナーは弁当で決まりますよね」
席についてから教えてもらった話だと、大きな学会ではお昼時にいくつかの会議室で【ランチョンセミナー】なるものが開かれるらしい。
主催は製薬会社や医療機器メーカーなどの企業で、お弁当を配り、先生方が食べている間に商品の説明をするのだ。
もちろん、来場者数は成績に響く。
だから企業側もいかに美味しいお弁当で先生方を釣るか必死なのだ。
そして先生方も、美味しいお弁当を楽しみにしている。
第四会議室には次から次へと人が入ってきた。
この大人さま弁当はとても人気らしい。
「わ、豪華ー!」
開けてみてびっくりだ。このエビフライの大きさ!
見た目だけで大当たりだとわかる。
「美味いっ! 金山先生、当たりだよこれ」
「間に合って良かったですね。
そろそろ品切れみたいですよ」
お弁当がなくなるのと同時に、会場を閉めているのが見えた。
「やっぱ、今日は中華街ですよね。
ちょっとこれ見てください!」
研修医が食べながら自分のスマホをこちらに向ける。そこには【横浜中華街食べ歩き5選!!】という文字が見える。
「お、焼き小龍包か〜! これはマストだよな。
パンダまんもあったよな?」
金山先生も事前に調べているようだ。
「あります、あります! これですね。
パンダがチョコカスタード。
こっちのブタは角煮が入ってるんです」
チョコカスタード!? 角煮!?
なにそれ、めっちゃ美味しそう!
いいなー。私も連れて行ってもらえるのかな?
焼き小龍包も食べたいー!
スマホを覗き込んでいると、突然永真先生が立ち上がった。
「俺そろそろ行きます」
座って10分も経っていない気がするのに、完食したようだ。
「ああ、そうだな。次発表だもんな。
頑張れよ! 俺達も食べ終わったら、席を確保しに行くから」
「あ、永真先生! 頑張ってくださいね」
「……ああ。行ってくる」
また私の頭をボンッと撫でて、スッと頬に触れてから、永真先生は行ってしまった。
うう……。学会会場に来てからの永真先生が甘すぎる。勘違いさせないでほしい。
「永真先生か」
「永真先生……クックッ……」
「な、なんですか?」
ニヤニヤと笑いながら「永真先生」を繰り返す先生方。
私は恥ずかしさと不安と、少しの嬉しさが入り交じった複雑な気分で、黙々とお弁当を食べ続けた。