【おまけ追加】塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける
「……それは俺に対する侮辱か?
俺をなんだと思ってる?
俺は医師だ。患者のこと治したいと思ってオペし、術後も患者が少しでも元の生活に戻れるよう手助けする。
常に患者の幸せな人生を願っている。
それが愛する人の家族なら尚更だ。
俺は叶恋の家族を大事に思っている。
君はきっと数字しか見てこなかったのだろうな。
崇高な意識を持てとまでは言わないが、少しは自分が売る商品のその先に、大勢の患者の人生があることは覚えておいた方がいい。少なくとも、君のようなMRから医療機器を買いたいとは思えない。
それに……俺は叶恋を捨てたりしない。
叶恋の全てを受け入れ、一生添い遂げる覚悟がなければ、今隣にはいない」
「永真先生……」
「『イシハラの西島さん』その名前、よーく覚えておくよ」
永真先生が陽介のネームホルダを読み上げた。
「な……お、俺を脅すんですか!?」
「さあな。名前を覚えておくと言っただけだが?
……叶恋、大丈夫か? 行こう」
まだ何か言おうとしている陽介を無視して、私たちは振り返らずに会場を後にした。
タクシーに乗っても全身の震えが止まらない。
「叶恋、大丈夫か? 震えているな……」
永真先生が私の手をギュッと握ってくれた。
「あ……大丈夫です。……すみませんでした」
「いや…………フゥ……」
「……永真先生?」
「とんでもない奴だな。
あそこまで自分勝手な奴、初めて見た」
「……ですね」
まさか陽介があそこまでクズだと思わなかった。
あれは、理沙が気の毒に思えるレベルだ。
でも、陽介が放った言葉は今も私の心に深く突き刺さっていた。
まるで呪いのように。
そしてそれ以上に、間に入ってくれた永真先生に対して申し訳ない思いを抱いていた。
こんなことがなければ、今日は記念すべき日だったはずなのに。
「……ご迷惑おかけしてすみません。
今日は永真先生の大事な日だったのに。
嫌な思いをさせてしまって……」
「それは大したことじゃないから気にしなくていい」
「でも」
「学会はこれが最後ってわけじゃない。
この先何度もあるんだし、ただの仕事の一環だ。
大したことではない」
たしかに永真先生なら、これから何度も今日の発表以上のことがあるだろう。
次はシンポジウムかもしれない。
でも、やっぱり今日はデビューの日なんだから、特別だと思うんだけど……。
俺をなんだと思ってる?
俺は医師だ。患者のこと治したいと思ってオペし、術後も患者が少しでも元の生活に戻れるよう手助けする。
常に患者の幸せな人生を願っている。
それが愛する人の家族なら尚更だ。
俺は叶恋の家族を大事に思っている。
君はきっと数字しか見てこなかったのだろうな。
崇高な意識を持てとまでは言わないが、少しは自分が売る商品のその先に、大勢の患者の人生があることは覚えておいた方がいい。少なくとも、君のようなMRから医療機器を買いたいとは思えない。
それに……俺は叶恋を捨てたりしない。
叶恋の全てを受け入れ、一生添い遂げる覚悟がなければ、今隣にはいない」
「永真先生……」
「『イシハラの西島さん』その名前、よーく覚えておくよ」
永真先生が陽介のネームホルダを読み上げた。
「な……お、俺を脅すんですか!?」
「さあな。名前を覚えておくと言っただけだが?
……叶恋、大丈夫か? 行こう」
まだ何か言おうとしている陽介を無視して、私たちは振り返らずに会場を後にした。
タクシーに乗っても全身の震えが止まらない。
「叶恋、大丈夫か? 震えているな……」
永真先生が私の手をギュッと握ってくれた。
「あ……大丈夫です。……すみませんでした」
「いや…………フゥ……」
「……永真先生?」
「とんでもない奴だな。
あそこまで自分勝手な奴、初めて見た」
「……ですね」
まさか陽介があそこまでクズだと思わなかった。
あれは、理沙が気の毒に思えるレベルだ。
でも、陽介が放った言葉は今も私の心に深く突き刺さっていた。
まるで呪いのように。
そしてそれ以上に、間に入ってくれた永真先生に対して申し訳ない思いを抱いていた。
こんなことがなければ、今日は記念すべき日だったはずなのに。
「……ご迷惑おかけしてすみません。
今日は永真先生の大事な日だったのに。
嫌な思いをさせてしまって……」
「それは大したことじゃないから気にしなくていい」
「でも」
「学会はこれが最後ってわけじゃない。
この先何度もあるんだし、ただの仕事の一環だ。
大したことではない」
たしかに永真先生なら、これから何度も今日の発表以上のことがあるだろう。
次はシンポジウムかもしれない。
でも、やっぱり今日はデビューの日なんだから、特別だと思うんだけど……。