【おまけ追加】塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける
覚悟をもって
叶恋がネット予約したというホテルは、古くも新しくもなく、ごく平凡なビジネスホテルだった。
「すみません、少し待っててもらえますか?」
俺は乗ってきたタクシーをホテルの前で待たせ、叶恋と共にフロントに向かった。
「――前金制になっております。チェックアウトは11時――」
フロントスタッフの話を聞き流し、【誠仁館医科大学脳神経外科医局】の宛名で領収書をもらう。
これでここは用済みだ。
「さ、行くぞ」
「え? あの……どこへ?」
叶恋は俺がここまで、ただ送ってきたと思っているのだろう。そんなつもりは全くなかった。
「まだ7時だぞ。一日は終わってない。
休憩ならタクシーの中で出来る」
俺は乗ってきたタクシーに叶恋を押し込み、再びみなとみらいに向かった。
「わあっ! 綺麗〜!」
俺が連れて来たのは、ベイサイドの都市型遊園地だった。
ここはみなとみらいを象徴する観覧車で有名だ。
ライトアップされた観覧車に叶恋が歓声をあげている。
すっかり元の叶恋に戻ったようだな。
あのクズ男と会った時は酷い顔色をしていたから――。
◇ ◇ ◇
発表が終わりスマホを見ると、森下先生から連絡が来ていた。
叶恋を一人残して行く、と。
気を利かせてくれたのは有難かったが、初めての地で一人待つというのは、きっと心細い思いをしているはずだ。
そう思い、俺は叶恋にメッセージを送った後、手短に総合司会の先生に挨拶を済ませ、急いでインフォメーションへ向かった。
ところが、インフォメーション前に叶恋はいなかった。学会受付と間違えたのだろうか?
学会受付付近も確認したが、叶恋はどこにもいない。
俺の送ったメッセージは既読になっているし『待ってます』と返信まであったんだ。どこかへ行くはずがない。
外に出ているのだろうかと、ガラス扉の外を覗いてみた。
すると少し離れた建物の壁際に叶恋とスーツを着た男がいた。男は叶恋を追い詰めるように話しかけている。
叶恋が強く言い返しているところを見ると、ナンパには見えない。知り合いか?
俺は叶恋の背後から近づいていった。
「すみません、少し待っててもらえますか?」
俺は乗ってきたタクシーをホテルの前で待たせ、叶恋と共にフロントに向かった。
「――前金制になっております。チェックアウトは11時――」
フロントスタッフの話を聞き流し、【誠仁館医科大学脳神経外科医局】の宛名で領収書をもらう。
これでここは用済みだ。
「さ、行くぞ」
「え? あの……どこへ?」
叶恋は俺がここまで、ただ送ってきたと思っているのだろう。そんなつもりは全くなかった。
「まだ7時だぞ。一日は終わってない。
休憩ならタクシーの中で出来る」
俺は乗ってきたタクシーに叶恋を押し込み、再びみなとみらいに向かった。
「わあっ! 綺麗〜!」
俺が連れて来たのは、ベイサイドの都市型遊園地だった。
ここはみなとみらいを象徴する観覧車で有名だ。
ライトアップされた観覧車に叶恋が歓声をあげている。
すっかり元の叶恋に戻ったようだな。
あのクズ男と会った時は酷い顔色をしていたから――。
◇ ◇ ◇
発表が終わりスマホを見ると、森下先生から連絡が来ていた。
叶恋を一人残して行く、と。
気を利かせてくれたのは有難かったが、初めての地で一人待つというのは、きっと心細い思いをしているはずだ。
そう思い、俺は叶恋にメッセージを送った後、手短に総合司会の先生に挨拶を済ませ、急いでインフォメーションへ向かった。
ところが、インフォメーション前に叶恋はいなかった。学会受付と間違えたのだろうか?
学会受付付近も確認したが、叶恋はどこにもいない。
俺の送ったメッセージは既読になっているし『待ってます』と返信まであったんだ。どこかへ行くはずがない。
外に出ているのだろうかと、ガラス扉の外を覗いてみた。
すると少し離れた建物の壁際に叶恋とスーツを着た男がいた。男は叶恋を追い詰めるように話しかけている。
叶恋が強く言い返しているところを見ると、ナンパには見えない。知り合いか?
俺は叶恋の背後から近づいていった。