【おまけ追加】塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける
 観覧車を降りたあと、無言で手を引かれタクシーで向かった先は、みなとみらいのシンボルである、ヨットの白い帆を思わせるホテルだった。

 永真先生は迷うことなくエレベーターに向かう。

「俺の部屋だ」

 その部屋には大きなキングサイズのベッドがあり、窓の向こうには、横浜ベイブリッジがライトアップされた姿で照らし出されていた。
 窓の下には、港を行き交う船や、埠頭を照らすオレンジの灯りが見える。

「素敵……」

 日常から程遠い別世界に来たような部屋だ。
 
「叶恋」
 
 永真先生が後ろから私を抱きしめてきた。

「偽装関係はもう終わりだ」

「永真先生……?」

「好きだ」

「……っ」

「ずっと好きだった。初めて叶恋を抱いた時から。
あの時にはもう叶恋に落ちてた」

 一度体を離し、正面から私の顔を覗き込む永真先生の視線が熱い。

「叶恋が欲しい」

「えっ! ま、待って。永真先生、私……」

「待てない。今すぐ叶恋が欲しい」

「でも私、話が――んんっ! ちょっ……」

 話をしようとしても、全て永真先生の唇で塞がれてしまう。

 でも私は、これからの事を話さなければいけないのに。

 陽介に言われたことは事実だから。
 私とこれから先も付き合うということは、介護は避けて通れないのだ。

 もしそれを永真先生が重荷に思うなら、やっぱり今ここで――。

 それなのに、差し入れられた舌が私の口内を蹂躙し始めると、何も考えられなくなる。
 
「んっ、ふぁっ……て」

 『待って』という言葉がかき消されていく。
 この人のキスは、どうしてこんなに気持ちいいのだろう。
 いつの間にか私の舌は永真先生の口の中へ誘い出され、ちゅっちゅっと吸い上げられていた。
 吸われる度に脚の付け根の辺りがキュッとなる。

 抱きしめられると密着した体の一部が私のお腹辺りに当たった。
 硬い……それは彼の欲望の証。
 私を欲しがっているのが伝わってくる。

 溺れるようなキスの間に、全ての服は取り払われ、私はキャミソールとショーツという心許ない姿になっていた。

 永真先生はキャミソールの細い肩紐に手をかけながらも、唇を放そうとしない。

「んッ……永し……せめてシャワー……」

「後で一緒に入ればいい」

「ひゃっ」

 スっと膝裏に手を差し入れ、私を抱き上げると、部屋の中央にある大きなベッドに運ばれた。
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