【おまけ追加】塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける
「薄型レンズにしてもらっても限度があるみたいで……これなんです。漫画に出てくるキャラクターみたいでしょ? 
だから嫌だったんですよ、お見せするの。
眼鏡姿で外を歩いても、誰も私だと気づかれないと思います」

 半分眼鏡を外しながら唇を尖らせて、拗ねたように言う叶恋が可愛い。

 思わず笑って頭を撫でると「まだ笑ってますね」と睨まれた。

「眼鏡でも可愛い」

「なっ……そんなことないです……」

 可愛いと思ったから「可愛い」と言ったのに、ぷいっと横を向かれてしまった。
 だがその顔は少し赤くなっていた。

 確かに眼鏡でキュッと縮んでしまった目は、普通なら可愛いなんて思わないだろう。
 それがここまで可愛く見えるのは、俺が叶恋に惚れ抜いているからかもしれない。

 きっと俺はどんな叶恋でも受け入れられると思う。
 そうだ、どんな叶恋でも――。

「眼鏡越しに見る叶恋の目も、いつも通りコンタクトレンズをつけている叶恋も、どっちも叶恋に違いない。
だからどっちの姿でも好きだ」

「永真さん……」

「俺は叶恋の全てが好きだ。今の叶恋を作りあげてきたもの、全部を愛おしいと思う」

「あ……」

「こんな気持ちは初めてなんだ。だからもう叶恋を手離せない。何も言わず、俺のものになってくれないか」

「永真さん……でも、現実問題で私には」

「叶恋は俺のことを好きなんじゃないのか? 
叶恋の言う、その現実問題があるからと言って、俺を諦められる、その程度の好きだったのか?」

「なっ……違います! ちゃんと好きです! 大好きです!」

「フッ……じゃあちゃんと俺を欲しがれよ。
大事なことは、愛し合う二人がずっと一緒にいられることなんじゃないのか? 
叶恋の言う現実問題は、実は些細なことなんだ」

 そうだ。俺にとってはなんの支障もない、些細なことだ。ちゃんと示してきたはずだ。わかれよ!
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