【おまけ追加】塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける
「大学に入学して少しした頃から、永真が私のことを好きなのは気づいてたの。
でも私には彼氏がいたし、永真とはなんでも言い合える友達だとしか思ってなかった。
2年の終わりだったかな。彼氏と上手くいかなくなって別れたの。
原因は彼の浮気。
彼ね、浮気したにもかかわらず、それは私のせいだって言ったのよ」

「え?」

「彼とは高校時代からの付き合いで、大学は別々だったのよ。
それでも上手くやっていけると思ってたんだけど……。
たしかに、医大なわけだから当然私の方が忙しくて、なかなかデートもままならなかった。
それなのに、会ったら私が永真の話ばかりしていてムカついたんだって。
俺だって他の女と! って思ったみたい。
……酷い話よね、浮気したのは自分の弱さじゃない? なのに私のせいにするなんて。
永真のことは、友達として名前を挙げていただけなのに」

 彼氏の浮気。しかも、浮気をしたにもかかわらず、相手のせいにするなんて…………どこかで聞いた話だ。

 まさか、京香さんが私と同じ別れ方を経験していたとは思いもしなかった。

「それでも長く付き合っていたから情はあった。
辛かったわ。だからその……」

「辛いから、忘れようと永真さんと付き合ったんですか?」

「……まあ、そんなとこ。
もちろん、なんとも思ってなかったわけじゃなく、好意はあったのよ? 
一緒にいると楽しかったし、付き合えると思ったの。
でも、いざキスをしてみたら……違ったの。
全くときめかないというか、弟としているみたいな感じ?」

「弟……」

「そう。これは違うって、すぐに思った。
思ったんだけど、ちょうど学年末の総合試験期間で、そんな話出来なかったの。
そんな中で出会ってしまったのよ、硏真さんに。
一目惚れだった。
それに、元カレともまた全然違ったのよね。
こう……なんというか……何もかも委ねたくなっちゃう感じ?」

「……」
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