【おまけ追加】塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける
「ここに居たのか。
キッチンからいい匂いがしてるのに居なかったからどこへ行ったのかと……」
 
「あ、おかえりなさい!」
 
「ただいま、何してるんだ?」
 
「今、ビーフシチューを煮込んでるんです。
その間に掃除機をかけようかと思って。
ねぇ、これ――」

 と、私が言い終わる前に、目を見開いた永真さんが、ダッシュで私の元に来て、ポップキャンディを取り上げた。

「こ、こ、これ……なんでっ!?」

「え? ここ、引き出しが少し開いていて、閉めようとしても閉まらなかっんです。
それが奥にひっかかっていたみたいで」

「……ッ!」

「ねぇ、そのキャンディおかしいんです。
柔らかくないですか? 
そんなの食べちゃダメです。
古くなっているんだわ。お腹壊しますよ。
それに寝る前に食べたら虫歯になります!」

 私は心配の意味も込めて、ちょっと強めに言ってみた。

「キャンディ……」

 なぜか呆然としている永真さん。

「……あ、ああ、そうだな。キャンディは虫歯になる。
それにこれ、本当に古いから俺が処分しておくよ」

 そうして永真さんは、食べないことを約束し、スラックスのポケットにそのキャンディを突っ込んだ。


 ◇ ◇ ◇
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