【おまけ追加】塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける
 いや、元カノって誰だよ。そんなのいない。
 京香とはそんな関係ではなかったし、あれは大昔の話だ。
 
 あのセロファンの袋には緑のコンドームが一つ残っているだけ。
 だが、明らかにあといくつかキャンディ型のコンドームが入っていたと思われる袋のサイズ感なのだ。
 なのに、残りは一つ。

 それに気づいている叶恋は、絶対に誤解している。
 間違いない。

 しかし……誤解なのだが、俺が使用したのは事実。

 できれば言いたくなかったのだが。
 正直、一生言うつもりはなかったのだが……。
 
 ここで事実を言わなければ、夫婦仲の危機となるだろう。

 ………………やむを得ん。

「あ、ごめんなさい。
永真さんはまだ食べてる途中ですよね? 
食卓に戻りましょうか」

 そう言ってダイニングの方へ逃げようとする叶恋の腕を掴む。

「待て。叶恋、なにか誤解していないか?」

「誤解……ですか」

「さっきの……緑のアレだ」

「ご、誤解って……私は何も……」

「あれは原田の結婚式の二次会で配られたプチギフトだ。出席した者は皆持っているものだ」

「え? 二次会?」

 叶恋の表情が明らかに変わった。
 やっぱり気にしていたのはそれか……。

「あいつら、先にハワイで式を挙げてきて、その時の土産をプチギフトにしたと言っていた。それがアレだ。
ハワイでは、普通に土産物としてああいうキャンディの形をしたコンドームが売っているんだ」

「お土産……そ、そうだったんですね……」

 あれ? おかしい。まだ目をそらそうとする。
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