【おまけ追加】塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける
「それにしても……驚いたよ。まさか永真とこんなところで会うなんてな。
しかも揃いのTシャツを着た子供までいるんだから」
「そうね。甥とは全く遊んでくれないのに」
「あ、あのっ、うちはなかなか遊びに行けない事情があって、それで今日は汐宮先生が弟たちを――」
「俺がどこへ誰と出かけようが関係ないと思うが。
それに一真には兄貴たちがいるのに、なぜ俺が遊んでやらないといけない?」
「……何よその言い方」
汐宮先生!
それはもちろんそうだけど、言い方ってものがあるでしょう~。
お兄さんもいるのに、その塩対応は――。
見ている私の方がドキドキしてしまう。
「いやー、俺は永真が叶恋ちゃんの弟たちを誘ってくれたおかげで、一真をゴーカートに乗せられるからありがたかったぞ。お前は本当にいい奴だなぁ」
「…………俺は兄貴のそのおめでたい性格の方が心底いい奴だと思うが……」
「ん? なんだ? 何か言ったか?」
……なるほど。お兄さんって少し天然なのかしら?
奥さんの性格はともかくとして、たしかにいい人だ。
汐宮先生がお兄さんに付き合っていたことを言うなと言った意味が分かる。
こんないい人を傷つけたくはないだろうから。
「今日はうちの両親まで一緒に連れてきていただいたんですよ。
両親もおそろいのTシャツを着て、今パーク内を散策中です。
父は脚が不自由なのでなかなかこんな機会がなくて……。
本当にありがたいと思っています」
「そうか、脚が……。
叶恋ちゃん、永真は優しい奴だからいっぱい頼るといいよ」
お兄さん、塩対応の汐宮先生なんて言われているのに、そんな風に言うのはたぶんお兄さんくらいです。
もちろん私は優しい人だってわかっていますけどね。
京香さんは話を聞きながらも、とても不満そうだった。
この夫婦、本当に対照的だわ。
でもだから合っているんだろうな、きっと……。
「叶恋、次の回で乗れるぞ」
「え? 数えたんですか?」
「ああ。生馬のところまで乗れるはずだ」
すごいな。わざわざ数えたの?
でもそんなヒマがあったらもっと会話に参加してよ~。
前の回の子供たちと入れ替わりに、ちょうど双子たちのところまでが案内された。
汐宮先生の言う通りだ。
司馬が青のカートを見つけてやり、生馬が一真くんの手を繋いで、そのカートまで連れて行ってあげている。双子はそれから慌てて空いているカートに飛び乗った。
それぞれのゴーカートが動き出すと、柵の外の保護者たちは一斉に自分の子供に向けてスマホを構えた。
「一真! ここよ〜! ああ、なんて可愛いの〜」
京香さんが一真くんに向けて、スマホを構えながら熱烈なラブコールを送っている。
その横でお兄さんがビデオカメラを構えていた。
微笑ましい。
京香さんの性格はともかくとして、この家族はとても幸せそうだ。
それに京香さんの『うちの子が一番!』という態度も、子育てをしてきたものならある程度理解でき、気持ちもわかるのだ。
我が子を目に入れても痛くないほど可愛がっている人には、好感が持てた。
まぁ私の場合は弟なのだけれど。
隣の夫婦に気を取られていると、いつの間にか汐宮先生が姿を消していた。
「――かれん~!」
「――――かれん~!」
司馬と生馬がゴーカートに乗りながらこちらの方までやってきた。
その横には、柵の外からスマホを片手に双子を追いかけている汐宮先生がいた。
動画を撮っていたの!?
私の前を通り過ぎる双子と、おそらくあれは、双子に手を振っている私のことも撮影している。
どこの子煩悩なお父さんだ……。
意外な半面を見せられて、思わずキュンと胸が締め付けられる。
ああ、やっぱり私、この人が好きだ――。
◇ ◇ ◇
しかも揃いのTシャツを着た子供までいるんだから」
「そうね。甥とは全く遊んでくれないのに」
「あ、あのっ、うちはなかなか遊びに行けない事情があって、それで今日は汐宮先生が弟たちを――」
「俺がどこへ誰と出かけようが関係ないと思うが。
それに一真には兄貴たちがいるのに、なぜ俺が遊んでやらないといけない?」
「……何よその言い方」
汐宮先生!
それはもちろんそうだけど、言い方ってものがあるでしょう~。
お兄さんもいるのに、その塩対応は――。
見ている私の方がドキドキしてしまう。
「いやー、俺は永真が叶恋ちゃんの弟たちを誘ってくれたおかげで、一真をゴーカートに乗せられるからありがたかったぞ。お前は本当にいい奴だなぁ」
「…………俺は兄貴のそのおめでたい性格の方が心底いい奴だと思うが……」
「ん? なんだ? 何か言ったか?」
……なるほど。お兄さんって少し天然なのかしら?
奥さんの性格はともかくとして、たしかにいい人だ。
汐宮先生がお兄さんに付き合っていたことを言うなと言った意味が分かる。
こんないい人を傷つけたくはないだろうから。
「今日はうちの両親まで一緒に連れてきていただいたんですよ。
両親もおそろいのTシャツを着て、今パーク内を散策中です。
父は脚が不自由なのでなかなかこんな機会がなくて……。
本当にありがたいと思っています」
「そうか、脚が……。
叶恋ちゃん、永真は優しい奴だからいっぱい頼るといいよ」
お兄さん、塩対応の汐宮先生なんて言われているのに、そんな風に言うのはたぶんお兄さんくらいです。
もちろん私は優しい人だってわかっていますけどね。
京香さんは話を聞きながらも、とても不満そうだった。
この夫婦、本当に対照的だわ。
でもだから合っているんだろうな、きっと……。
「叶恋、次の回で乗れるぞ」
「え? 数えたんですか?」
「ああ。生馬のところまで乗れるはずだ」
すごいな。わざわざ数えたの?
でもそんなヒマがあったらもっと会話に参加してよ~。
前の回の子供たちと入れ替わりに、ちょうど双子たちのところまでが案内された。
汐宮先生の言う通りだ。
司馬が青のカートを見つけてやり、生馬が一真くんの手を繋いで、そのカートまで連れて行ってあげている。双子はそれから慌てて空いているカートに飛び乗った。
それぞれのゴーカートが動き出すと、柵の外の保護者たちは一斉に自分の子供に向けてスマホを構えた。
「一真! ここよ〜! ああ、なんて可愛いの〜」
京香さんが一真くんに向けて、スマホを構えながら熱烈なラブコールを送っている。
その横でお兄さんがビデオカメラを構えていた。
微笑ましい。
京香さんの性格はともかくとして、この家族はとても幸せそうだ。
それに京香さんの『うちの子が一番!』という態度も、子育てをしてきたものならある程度理解でき、気持ちもわかるのだ。
我が子を目に入れても痛くないほど可愛がっている人には、好感が持てた。
まぁ私の場合は弟なのだけれど。
隣の夫婦に気を取られていると、いつの間にか汐宮先生が姿を消していた。
「――かれん~!」
「――――かれん~!」
司馬と生馬がゴーカートに乗りながらこちらの方までやってきた。
その横には、柵の外からスマホを片手に双子を追いかけている汐宮先生がいた。
動画を撮っていたの!?
私の前を通り過ぎる双子と、おそらくあれは、双子に手を振っている私のことも撮影している。
どこの子煩悩なお父さんだ……。
意外な半面を見せられて、思わずキュンと胸が締め付けられる。
ああ、やっぱり私、この人が好きだ――。
◇ ◇ ◇