青い月は、春を待つ。
青倉くんが在庫センターに問い合わせをしてみると、何と運良く明日入荷するらしく、2日後にはヤ◯ダ電機に納品出来ることになり、わたしは関さんに連絡を入れた。
とりあえず、この件は一件落着したが、勝手に担当者をわたしにしてミスをした犯人が分かり、わたしは今回ばかりはただで見過ごせなかった。
「深田さん。今回の件は、部長に報告させてもらいます。」
わたしがそう言うと、深田さんは大袈裟という程に「えっ?!」と驚いていた。
いつもゴマをすってきて信頼を得てきたはずが、今回のことを報告すれば、それが何もかも無駄になってしまうことを心配したのだろう。
「発注ミス報告書を書いて、課長4人分の印鑑をもらって、部長に提出してください。」
「そんなぁ!酷いです!」
「人の名前を勝手に使っておいて、何が酷いんですか?これはわたしではなく、深田さんのミスですよ?」
わたしは発注ミス報告書の紙を深田さんのデスクに叩きつけると、「今日中にお願いします。」と言い、自分のデスクに戻った。
深田さんはわたしを睨み付けていたが、わたしは知らない顔をした。
「春瀬課長、かっこいい〜!」
青倉くんが小声でそう言ってくる。
「わたしだって、怒ると怖いのよ?」
「怒らせないように気をつけます!」
そう言う青倉くんの言葉にわたしは静かに笑い、「やるじゃん。」と言う杉井課長の言葉にも「まぁね。」と返事をした。