青い月は、春を待つ。

そのあと、深田さんは発注ミス報告書を書き、無言でわたしに印鑑をもらいに来たあと、杉井課長に「春瀬課長に意地悪されたんですぅ〜。」と印鑑をもらいに行っていた。

「意地悪された?意地悪したのは深田さんでしょ?勝手に人の名前使っちゃダメだよ?きっちり部長に怒られて来なさい。」

杉井課長はそう言いながら、発注ミス報告書に印鑑を押してあげていた。

そのあとも他の課長に印鑑をもらいに行く度に被害者面をしていた深田さん。

しかし、最終的にはきっちり部長に叱られ、信頼を失ったようだった。

泣き真似をして村田さんと黒田さんに慰められる50を過ぎたおばさんの姿は、とても痛々しかった。

「青倉くん、ありがとね。すばやく対応出来たのは、青倉くんのおかげだよ。」
「いえいえ!春瀬課長のお役に立ちたかっただけなんで!」
「でさ、青倉くん。今日、仕事終わってから時間ある?」
「え?あ、はい、、、ありますけど。」
「もし良かったら、うちに来ない?話したいことがあるの。」

"話したいことがある。"

その言葉に青倉くんの表情が一気に緊張感へと変わる。

青倉くんは「はい、伺います。」と言うと、何とも言えない複雑な表情をしていた。

「じゃあ、帰りは一緒に帰ろうか。」
「はい。」

そのあとは、お互いドキドキしながら業務についていたのだった。

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