青い月は、春を待つ。
定時になり、仕事が終わると、わたしたちは帰り支度をした。
田んぼ三姉妹は、深田さんのミスの件でグチグチとお喋りをしていたので、まだ仕事が残っており、杉井課長にキツく叱られてからは、わたしに仕事を押し付けて来なくなった。
「じゃあ、お先に失礼します。」
「お先に失礼しまーす!」
わたしは悔しそうな田んぼ三姉妹の横を青倉くんと通り過ぎると、退社をし、わたしの自宅へ向かった。
帰宅ラッシュでギューギューの満員電車。
電車が揺れる度にバランスを崩しそうになり、青倉くんが「大丈夫ですか?」と支えてくれた。
そして、自宅に着くと、リビングの電気を点け、カーテンを閉める。
「どうぞ、座って?」
わたしがそう言うと、青倉くんはまるで初めてわたしの家に来たような緊張感で「あ、はい。」と言いながら、ぎこちなくソファーに腰を掛けた。
そして、わたしはスーツのジャケットを脱ぐと、ジャケットをダイニングテーブルの椅子にかけ、青倉くんの隣に腰を下ろした。
「突然ごめんね?うちに誘ったりして。」
「い、いえ。大丈夫です。」
「話したいことっていうのはね、こないだの、、、返事なんだけど、、、。」
「、、、はい。」
静かな部屋に沈黙が流れる。
こうゆう話をするのは、なかなか勇気がいるものだ。
それを勇気を出して、青倉くんがわたしに気持ちを伝えてくれたんだから、今度はわたしが勇気を出して応えなくちゃ。