本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
「昨日、控室から出てきて俺にぶつかっただろ」

そう言われて昨日の晩を思い出す。

ぶつかった?
あ、誰かにぶつかったわ。

急いでいたし顔も見ずに走り去ってしまったけど…そうか。

あの時に携帯を落としてしまったらしい。

「すみませんでした。私あの時急いでて…」

「ここの会社、副業禁止だよな?」

んぐっ!
げげげ!
なんで知っている!?

「あー…、そうでしたかね?」

私は目をそらしてぽりぽりと誤魔化すように鼻の頭をかく。

まぁサングラスをかけていてこれまで目が合っていたのかも謎だが。

「俺、ここの社長の事よく知ってるんだよね」

へ?
社長と知り合いなの?

社長はまずくないか!?

「お、お願いします。私が副業している事はどうか見逃していただけないでしょうか」

あともう少しで父の残した借金も払い終わるというのに、こんなところで仕事を失くすわけにはいかない。
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