本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する


恥をしのんで私は頭を下げた。

「くくく」

そんな私を見て彼は嘲笑う。

なんなのこの人。
本当感じ悪い。

「明日、ここに来て。そしたら返してやるよ」

そう言って封筒を渡されたかと思えば私の携帯を持ったまま行ってしまった。

「ちょっ! ちょっと!」

はぁ?
え?
泥棒なの?

話が違うじゃない!

わざわざ届けてくれて親切だと少しでも思った自分が浅はかだった。

そんなに世の中甘くない。

これは警察に盗難の連絡を入れてしまってもいいのでは?

…いやそれはダメだ。

社長と知り合いだと言っていたし、副業している事がバレたらクビになってしまう。

それだけはなんとしてでも阻止させねばならぬ。

ここはやはり大人しく言われた通りにするのが身の為かもしれぬ。

うぬぬ。

かなり腑に落ちないけど。
< 11 / 307 >

この作品をシェア

pagetop