本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
〜亜里沙side〜

燃えてしまった…
全て…

用意していたあと少しだった返済のお金も。
月々の返済の他にコツコツ貯めていたのに。

獅音には言えない。

絶対言ったら払おうとする。
あの人はそういう人だ。

困ってる私をきっと放っておけない。

だから今だってこうして…

寝室に案内されて、渡された獅音のブカブカのスウェットに着替え、何もする気がおきず布団に潜り込んだ。

獅音の香りがする…

きっと獅音は別な部屋かソファとかで寝る気だ。

最初こそホテルに行こうだのなんだの言っていたけど、獅音はけして無理矢理どうこうしてくるような人じゃない事がわかった。

獅音と食べたドリアの残りも、いろいろお土産に買ってくれた食べ物も…

全部無くなっちゃった…

ライブで着る衣装も、仕事で着る制服も全部全部。

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