本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
「ぼ、僕のおかげでお金は無事だったわけだし、少しの荷物だって持ってこられた。むしろ感謝するべきだろ?」

男は訳のわからない理屈を述べる。

「自分がストーカーしている事は棚に上げるのか?」

「僕は火事に気づいて直ぐに命を張って亜里沙が大事にしていたものを守ったんだ! なのに、あの日お前が現れて…。すぐにお金だって渡してあげたかったのに。お前が亜里沙を連れ去ったんじゃないか! 僕の亜里沙なのに!」

何を言ってるの…?

「亜里沙、君はこの男に騙されてるんだよ。この男は他にもたくさん女遊びをしていて最低な奴なんだぞ? 目を覚ますんだ!」

そう言って男は私に近づいてくる。

中年で見た目は普通のどこにでもいそうなサラリーマンのようにも見える。
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