本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
「それじゃ、慰謝料だかなんだか知らないが、まず不倫した事実は反省すべきだし、あとは自分でなんとかしてくれ。腕のいい弁護士だけは紹介してやる」

「そ、そんな…」

母親は口をパクパク開けるも言葉が出ないようだ。
なんて滑稽なんだろうか。

「あんたが母親だとは俺は認めない。俺が結婚したのは亜里沙であってあんたは関係ない。これ以上俺や亜里沙に近づくならこちらも手を打つ」

「んなっ…!?」

「それじゃ。時期にここに弁護士が来るから今後はそちらで。では、俺たちはここで失礼します」

獅音はそう言って私の腰に手を回すと、いつものように優しく見下ろし微笑む。

「帰ろう。亜里沙」

私はコクっと頷く。

そして獅音にエスコートされながら歩き出したところで私は一度振り向いた。

「お母さん。いや…、静香さん。さよなら」

もう会う事は一生ないだろう。
いいんだよね、これで。

獅音を見上げれば頷かれる。

私がそれを見て微笑めば獅音はまた歩き出した。

さよなら。

そう言ってもう一度私は心の中でお別れをした。
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