本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
いいの。
私は私よ。

そして会場をやっとの事で抜け出すと、おもむろに携帯が鳴る。

知らない番号…

今月分の返済は済んでるんだけどな。

「はい…」

『どーも。LiSA様』

この声は!?
獅音!?

「んな!? なんで!?」

『これ、俺のプライベートの番号だから。もう携帯落とすなよ?』

「わ、わかってます!」

もう首からぶら下げる事にするよ!

『今どこ?』

え?

「今、まだ会場を出たばかりの辺りを歩いてますけど…」

『目印ある?』

私はキョロキョロ周りを見渡す。

「ない」

『…おい。なんかあんだろ』

えー?

「あー、飯田ビルっていうの出てきました」

『右側? 左側?』

「左側」

その時クラクションの音が聞こえて振り向くと、獅音の車と同じ黒のSUVが私の横で止まった。

そして窓が開いて、やっぱり獅音が帽子を被ってマスクをした状態で姿を現した。
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