本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
「乗って。早く」
「え?」
「早く。バレるから」
そう言われてしまえば急いでしまうのが人間の心理なのか、私はすぐに後ろのドアを開けて乗り込んだ。
「いや、なんで後ろ? 普通隣りだろ」
「え? あ、何も考えてませんでした。◯◯までお願いします」
私は自分の住むボロアパートの近くの目印の場所を言う。
「はい。◯◯ですね、お客さんシートベルトお願いします。じゃねーんだわ」
おお。
ノリツッコミしてるよ。
「ちょ、こっち来て。落ち着かないから」
そう言って獅音は中央のシフトの部分と助手席を指差す。
「このまま?」
「そう。シート踏んづけてもいいから」
いやダメだろ!
私はとりあえずギュイーンと脚を伸ばす。
おお、意外といけそう。
いけたわ。
「よし」
隣りに座った私を見て満足したのか車を発進させる獅音。