殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。
 アンナが皇帝が毒を盛られたと知っているのも不自然だ。ウィルモットには教えてもいないのに知っていた。

(もう、すでに周りに認知されていたの? でもカトリーヌの様子では、彼女以外は気づいていないはず。どこから情報が漏れたのかしら?)

 セレスティンは深く考え込む。
 結局、これもセレスティンの仕業ということで片付けられてしまった。このことは帰宅後にレンデルと話し合うことに。
 やはりレンデルも同じことに疑問を抱いていたようだ。

「そもそも、アイツ。ウィルモットの発言もおかしい。あんなに動揺して聖女がそんなことするはずがないと騒いでいたくせに、急に君が犯人だと罪を擦りつけてきた」

 レンデルは疑問を言うが、それはいつものことだ。
 ウィルモットが、いつだって悪いことになればセレスティンのせいにしていた。
 今回のは、たまたま出た発言なのか。それともセレスティンではないとまずいのかは分からないままだが。

「それは、いつものことなので分かりかねますが、不自然といえばアンナもです。何か私たちには言えない事情を知っているのかも」

「……そうだな。アンナというメイドを徹底的に調べてみた方がいいだろうな。事件のことも含めて」

「はい……う、うん?」

 セレスティンは返事をしようとするが、体の中が急に熱くなってきた。息が荒くなり、胸が苦しくなってくる。

「どうした? 大丈夫か?」

「だい…じょう……くっ」

 レンデルは心配そうに言ってくれたが、胸がギュッと締めつけられそうになるぐらいに辛くなってくる。脂汗まで出てきた。
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