殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。
「せ、セレスティン!? これが大丈夫なわけがないだろう!? 待て。すぐに医者を」

「ほ、本当に大丈夫ですから」

 セレスティンは咄嗟に彼の腕を掴んだ。大げさにするつもりはない。
 すると、その時だった。ドックンッと大きく心臓の音が高鳴ったと思ったら、ポンッとセレスティンの体が大きくなった。

「「えっ?」」

 お互いに驚くのも無理はない。大きくなったセレスティンの服のサイズが合わなくて、あちらこちらが破れてしまった。
 胸元が見えてしまい、露わな状態に。セレスティンは「キャアッ」と叫びながら胸元をパッと手で隠した。
 レンデルは思わないハプニングに大慌てで目線を逸らしていたが、内心はドキドキと心臓が高鳴ってしまう。

「み、見ましたか?」

「い、いや……俺は見ていない。とりあえずこれを着ろ」

 そう言ってレンデルは上着を脱いで貸してくれた。セレスティンは急いでそれを羽織るが、チラッと彼を見てみる。
 肌を見られるのは二度目だが、今回は大人の体だ。状況がまた違う。
 レンデルは後ろを向いて見ないようにしてくれていたが、耳まで真っ赤になっていた。

(あ、恥ずかしそうにしている!?」

 こちらも恥ずかしくなることだったが、彼の意外な一面を見ることが出来た。

(あまり表情を出さずに不愛想でクールな印象が強かったけど、もしかして女性慣れしていないのだろうか? ウィルモット様なら、これぐらい見慣れているから平気だろうし、そもそも私のことは気に留めることもなかったかも)

 レンデルとウィルモットはまったくってほど正反対だ。
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