殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。
チクリと胸の辺りが痛む。まるで良くない事でも起きるかのように。
 気のせいだといいのだけど。
 しかし、その予感は的中することに。それは聖女のお披露目パーティーで知ることになるとは……。

 アルバーン帝国に誕生した聖女の名は『カトリーヌ・エイミス』
 セレスティンと同じ18歳なのだが庶民出身。
 しかし、ある日から人々の怪我や病気を治せる不思議な能力が覚醒。その上に優しくて、純粋な心の持ち主だと庶民の間で噂になっていたらしい。
 姿を見せた彼女は、確かに純粋っていう言葉が似合っていた。綺麗な銀髪にふわふわのロングウエーブヘア。目も大きくて、タレ目で小さな口元。
 華奢な身体と小柄。まるで守って上げたくなるような雰囲気のある美女だ。

(この人が……聖女様!?)

 セレスティンは驚きで言葉を失った。まるで、そうなるために生まれてきたような神秘的な美しさがある。それは皇族も同じように思っていたようだ。
 皇帝は大喜びして、すぐに『聖女』という称号を彼女に与えた。住む場所も安全性を考えて皇宮で住むことを許された。
 正式に発表と認められたものだがらか、一気にお祝いムードに。
 セレスティンは不安そうにチラッと隣にいるウィルモットを見る。女性好きで、特に綺麗な令嬢には目がない。そのため心配していたのだが。
 やはり悪い勘は当たるものだ。ウィルモットはすぐに聖女に夢中になっていた。
 頬を少し赤く染めながら、ジッと彼女ばかり見惚れている。すると、急に立ち上がってきた。

「えっ? ウィルモット様!?」

 慌ててセレスティンは声をかけるが、ウィルモットは無視。そのまま階段を下りると、聖女・カトリーヌの傍まで行ってしまう。
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