【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
「馬車は二台用意しますので、一台にはあなたたちが乗ってくださいね」
「わかりました」
クロエがうなずいて、ブレンはすぐに馬車を用意してくれた。早い。
馬車に乗りこんで水族館へ向かう。どんな場所なのかしら……ちょっと楽しみ。
「クロエは、水族館に行ったことがある?」
ゆるりと首を左右に振るクロエの瞳が、濁っていた。
「勉強や研究で、行く余裕がありませんでした……」
「そう……わたくしと同じね」
公爵邸で勉強や礼儀作法ばかりを習っていた日々を思い出して、わたくしは両肩を上げる。
ゆっくりと息を吐いて、馬車の窓から外の景色を眺めた。
「なら、今日はとことん、楽しみましょうね」
「はい!」
クロエがぱっと、花が咲くような笑みを見せてくれた。……うん、可愛いわね。
馬車で小一時間ほど揺られて、ようやく目的地についた。
ここに来るのも二回目ね。館内を見るのは初めてだけど。
そのことに眉を下げて微笑み、わたくしたちは馬車を降りた。
「思っていた以上にすごい人ですね……」
「家族連れが多いわね。人気なのかしら」
「そりゃあもう大人気ですよ。僕の調べによると!」
ひょこっとブレンさまが現れて、パンフレットをくれた。……それを受け取り、ぱらりと捲る。
いつの間に用意していたのかしら、ブレンさま。
「わかりました」
クロエがうなずいて、ブレンはすぐに馬車を用意してくれた。早い。
馬車に乗りこんで水族館へ向かう。どんな場所なのかしら……ちょっと楽しみ。
「クロエは、水族館に行ったことがある?」
ゆるりと首を左右に振るクロエの瞳が、濁っていた。
「勉強や研究で、行く余裕がありませんでした……」
「そう……わたくしと同じね」
公爵邸で勉強や礼儀作法ばかりを習っていた日々を思い出して、わたくしは両肩を上げる。
ゆっくりと息を吐いて、馬車の窓から外の景色を眺めた。
「なら、今日はとことん、楽しみましょうね」
「はい!」
クロエがぱっと、花が咲くような笑みを見せてくれた。……うん、可愛いわね。
馬車で小一時間ほど揺られて、ようやく目的地についた。
ここに来るのも二回目ね。館内を見るのは初めてだけど。
そのことに眉を下げて微笑み、わたくしたちは馬車を降りた。
「思っていた以上にすごい人ですね……」
「家族連れが多いわね。人気なのかしら」
「そりゃあもう大人気ですよ。僕の調べによると!」
ひょこっとブレンさまが現れて、パンフレットをくれた。……それを受け取り、ぱらりと捲る。
いつの間に用意していたのかしら、ブレンさま。