【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
◆◆◆

「マジですか」
「マジですわ」

 人気のない――演習場。

 周囲には魔法のバリアが張ってあるから、周りに被害が出ることはない。

「本気で言っているんだよな……?」
「医者のクロエもいますし、今のわたくしがどの程度の魔法が使えるのか……見守ってくれませんか?」

 クロエが心配そうにわたくしを見ている。

 マーセルの身体でも、魔法が使えるのはわかるのだけど……、どの程度まで使えるのかは、まだ試していないの。

 わたくしは、レグルスさまたちに立ち会ってもらうことを希望した。

 この演習場はあまり人がこないことで有名な場所だから……

 幽霊が出るとか、おどろおどろしい音が聞こえるとか、そんな噂のある場所。

 まぁ、おそらくその幽霊の正体、わたくしなのよね。

 放課後、帰る前に授業の復習するために寄っていたの。

「魔力が切れそうになったら、すぐにやめること」
「はい。――では、いきます!」

 わたくしは普段と同じように、攻撃魔法を演習場の的に(はな)つ。

 火の魔法、水の魔法、風の魔法、土の魔法を試していく。

 属性魔法はもとから使えていた。

 攻撃魔法を的に当てていく。動かない的だから、狙いやすい。

 ……マーセルはなぜ、魔法を使えなくなったのだろう?

「カミラさまの魔法の属性は、それだけですか?」
「え? ええ……」

 四属性は、わりと誰でも使える属性だ。

 ブレンさまが探るようにわたくしをじっと見つめて、「おかしいなぁ」とつぶやく。

 レグルスさまがそれに気付いて、わたくしたちを交互に見た。

「なにがおかしいんだ?」
「僕から()れば、カミラさまの魂に宿っている属性が、まだあるように見えるんですよね。もしかしたら、隠されているのかも?」

 じーっと見つめられて、わたくしも見つめ返す。

 レグルスさまがなにかを考えるように、顎に指をかけてゆるりと息を吐く。

「……もしかして、それがきみの公爵令嬢になった理由だった……?」

 レグルスさまがそう仮説を立てて、わたくしたちは言葉を()んだ。
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