【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
クロエの部屋にて。
その日は寮の門限前に帰り、そのまま明日の準備をする。
クロエは、明日の放課後呼びにいくので教室で待っていてほしいと伝えて、わたくしの肩をぽんと叩いた。
そして翌日――つまり、今日、これから――マーセルと会う。
その前に、マティス殿下に昨日のお土産を渡した。
中身を見てすごく複雑そうな表情を浮かべていたので、少しだけ胸がすっとしたわ。
それでも大事そうに抱えて持っていったから、マーセルのことが本気で好きなのだとしみじみ感じた。
思っただけで、他の感情が動かない。
貴族の結婚って、大体が政略結婚で、恋愛はあとからついてくるものだと思っていたけれど……マティス殿下とマーセルのように想いあっている場合はどうなるのかしらね?
「さて、と……」
今日も地味な嫌がらせはあったけれど、あまりにも地味すぎてまったくダメージにもならなかった。
元々貴族が通う学園だから、そんなに目立った嫌がらせはないのかしら?
……いえ、マーセルが変わった、と思ったからこそ?
「か……マーセルさま、お待たせしました」
放課後、すぐにクロエがわたくしを迎えにきた。早い。
鞄を持って、彼女に近付く。
クロエの部屋に向かう途中で、ブレンさまに会った。そして、そのまま彼も一緒に彼女の部屋に足を進める。
クロエは、明日の放課後呼びにいくので教室で待っていてほしいと伝えて、わたくしの肩をぽんと叩いた。
そして翌日――つまり、今日、これから――マーセルと会う。
その前に、マティス殿下に昨日のお土産を渡した。
中身を見てすごく複雑そうな表情を浮かべていたので、少しだけ胸がすっとしたわ。
それでも大事そうに抱えて持っていったから、マーセルのことが本気で好きなのだとしみじみ感じた。
思っただけで、他の感情が動かない。
貴族の結婚って、大体が政略結婚で、恋愛はあとからついてくるものだと思っていたけれど……マティス殿下とマーセルのように想いあっている場合はどうなるのかしらね?
「さて、と……」
今日も地味な嫌がらせはあったけれど、あまりにも地味すぎてまったくダメージにもならなかった。
元々貴族が通う学園だから、そんなに目立った嫌がらせはないのかしら?
……いえ、マーセルが変わった、と思ったからこそ?
「か……マーセルさま、お待たせしました」
放課後、すぐにクロエがわたくしを迎えにきた。早い。
鞄を持って、彼女に近付く。
クロエの部屋に向かう途中で、ブレンさまに会った。そして、そのまま彼も一緒に彼女の部屋に足を進める。