【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
「男性がクロエの部屋に入っても、大丈夫?」
「大丈夫ですよ、教員の寮ですしね」
それなりに人の出入りはあるみたいね。
授業でわからないところがあれば、聞きに行く人もいるのかしら?
そんな会話を交わしつつ、彼女の部屋の前についた。
クロエが開き、中に入るようにうながしたので、わたくしたちは中に足を踏み入れた。
そこにはすでにカミラ……の姿をしたマーセルがいて、こちらに気付くとばっと頭を下げる。
「ごきげんよう、カミラさま」
「ごきげんよう、マーセル」
わたくしに挨拶をしたマーセルは、後ろに控えていたブレンさまを見て、首をかしげた。
ブレンさまはじっとマーセルを見て、それから「これは……」とつぶやく。
「……なにかわかりまして?」
「雁字搦めですねぇ」
のほほんとした口調で言われて、わたくしとはマーセルと顔を見合わせて、ブレンさまを凝視する。ブレンさまはじーっとわたくしたちを見て、肩をすくめた。
「うん、やっぱり禁術の一つです。特に……マーセル嬢? の魂にかけられた鎖が強そうです。魔法が使えないのは、そのせいかも」
「! で、では、鎖が解ければ……!」
「それが、ですねぇ……。あまりにも雁字搦めに絡まっているので、解くには時間がかかりそうです」
ブレンさまの言葉に、大きく目を見開いた。だって、それは……時間をかければマーセルの鎖を解けるということだから。
「大丈夫ですよ、教員の寮ですしね」
それなりに人の出入りはあるみたいね。
授業でわからないところがあれば、聞きに行く人もいるのかしら?
そんな会話を交わしつつ、彼女の部屋の前についた。
クロエが開き、中に入るようにうながしたので、わたくしたちは中に足を踏み入れた。
そこにはすでにカミラ……の姿をしたマーセルがいて、こちらに気付くとばっと頭を下げる。
「ごきげんよう、カミラさま」
「ごきげんよう、マーセル」
わたくしに挨拶をしたマーセルは、後ろに控えていたブレンさまを見て、首をかしげた。
ブレンさまはじっとマーセルを見て、それから「これは……」とつぶやく。
「……なにかわかりまして?」
「雁字搦めですねぇ」
のほほんとした口調で言われて、わたくしとはマーセルと顔を見合わせて、ブレンさまを凝視する。ブレンさまはじーっとわたくしたちを見て、肩をすくめた。
「うん、やっぱり禁術の一つです。特に……マーセル嬢? の魂にかけられた鎖が強そうです。魔法が使えないのは、そのせいかも」
「! で、では、鎖が解ければ……!」
「それが、ですねぇ……。あまりにも雁字搦めに絡まっているので、解くには時間がかかりそうです」
ブレンさまの言葉に、大きく目を見開いた。だって、それは……時間をかければマーセルの鎖を解けるということだから。