【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
――手入れされず埃っぽい部屋。蜘蛛の巣もあったわね。そして、かび臭い毛布にベッド。外の様子を見ることが叶わない――いいえ、むしろ太陽の光も届かない地下室。
わたくしが、家族の期待通りに動かないときに、閉じ込められる……部屋。
それだけではない。お母さまから、鞭で背中を叩かれたこともある。
痕がつかないように、しばらくしたら回復ポーションを飲まされるんだけど……そのポーション、味がとっても不味いのよね。でも、全部飲まない限り部屋から出られない。
『わたくしだってこんなことをしたくはないのよ! でも、カミラは完璧な公爵令嬢でなければ許されないのッ!』
ヒステリックに叫ぶお母さまのことを思い出して、わたくしは思わず額に手を置いて重々しくため息を吐いた。
お母さまがわたくしを『完璧な公爵令嬢』にしようとしていたのも、きっと血の繋がりがなかったから……
「……いろいろ、探っていくしかないのよね」
「……そうですね」
ぽつりとつぶやくと、マーセルが言葉を返した。
マティス殿下の婚約者として、公爵家はわたくしにいろいろなことを教え込んだ。そのおかげで確かにわたくしは『完璧な公爵令嬢』に近付いたわ。
でも――……
ちらりとレグルスさまに視線を向ける。彼はわたくしを見ていたようで、ぱちっと視線が交わり、ふわりと柔らかく微笑んだ。
……でも、『完璧な公爵令嬢』ではないわたくしを、望んでくれる人がいる。
そのことが、とても嬉しいの。わたくし自身に、価値があるような気がして。
わたくしが、家族の期待通りに動かないときに、閉じ込められる……部屋。
それだけではない。お母さまから、鞭で背中を叩かれたこともある。
痕がつかないように、しばらくしたら回復ポーションを飲まされるんだけど……そのポーション、味がとっても不味いのよね。でも、全部飲まない限り部屋から出られない。
『わたくしだってこんなことをしたくはないのよ! でも、カミラは完璧な公爵令嬢でなければ許されないのッ!』
ヒステリックに叫ぶお母さまのことを思い出して、わたくしは思わず額に手を置いて重々しくため息を吐いた。
お母さまがわたくしを『完璧な公爵令嬢』にしようとしていたのも、きっと血の繋がりがなかったから……
「……いろいろ、探っていくしかないのよね」
「……そうですね」
ぽつりとつぶやくと、マーセルが言葉を返した。
マティス殿下の婚約者として、公爵家はわたくしにいろいろなことを教え込んだ。そのおかげで確かにわたくしは『完璧な公爵令嬢』に近付いたわ。
でも――……
ちらりとレグルスさまに視線を向ける。彼はわたくしを見ていたようで、ぱちっと視線が交わり、ふわりと柔らかく微笑んだ。
……でも、『完璧な公爵令嬢』ではないわたくしを、望んでくれる人がいる。
そのことが、とても嬉しいの。わたくし自身に、価値があるような気がして。