【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
まるで、これからわたくしが伝えることを、肯定するかのように。
「――わたくしは、この国から出ていきます。誰がなんと言おうとも。レグルスさまたちと一緒に、リンブルグルに行きますわ」
そして、わたくしはわたくしの人生をやり直すの。一から。
――そのとき、隣にいてほしいのは――……レグルスさまだ。
「ここまで育てていただいたことには、感謝しております。……それと同時に、恨んでもいます。あの部屋にわたくしを閉じ込めて、自我を奪ったことを」
幼い頃から繰り返されたこと。言うことを聞かなければ閉じ込められていた部屋。
家族に愛されたかったわたくしの気持ちを、利用していたこと。
「あなた方に利用されるわたくしは、もういませんわ」
声は、震えなかった。
よく言った、とばかりにレグルスさまがうなずく。
「さようなら、ベネット家の方々。――それを、伝えにきたのです」
お母さまから習ったカーテシーをして、ベネット家の三人を置いて執務室から出ていった。
ブレンさまが鎖を解いてくれたおかげで、身体の中に力がみなぎってくるようだわ。今のわたくしに、怖いものはないと思えるくらいに。
「――わたくしは、この国から出ていきます。誰がなんと言おうとも。レグルスさまたちと一緒に、リンブルグルに行きますわ」
そして、わたくしはわたくしの人生をやり直すの。一から。
――そのとき、隣にいてほしいのは――……レグルスさまだ。
「ここまで育てていただいたことには、感謝しております。……それと同時に、恨んでもいます。あの部屋にわたくしを閉じ込めて、自我を奪ったことを」
幼い頃から繰り返されたこと。言うことを聞かなければ閉じ込められていた部屋。
家族に愛されたかったわたくしの気持ちを、利用していたこと。
「あなた方に利用されるわたくしは、もういませんわ」
声は、震えなかった。
よく言った、とばかりにレグルスさまがうなずく。
「さようなら、ベネット家の方々。――それを、伝えにきたのです」
お母さまから習ったカーテシーをして、ベネット家の三人を置いて執務室から出ていった。
ブレンさまが鎖を解いてくれたおかげで、身体の中に力がみなぎってくるようだわ。今のわたくしに、怖いものはないと思えるくらいに。