【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
ノラン・カースティン男爵。 1話
レグルスさまはちらりと視線をブレンさまの持っている紙に移動し、ひょいと彼の手から紙を抜き取った。そして、ぴらりとその紙を見せてくれた……けど、なにを書かれているのかはわからず、クロエと顔を見合わせる。
「リンブルグっていろんな文化があるんだよ。これも、その一つ」
「ブースターとおっしゃっていましたよね」
「ああ。この紙に書いたのは、ブレンの能力を上げるためのまじない」
まじない? とその紙に書かれているものをじっと見つめた。クロエも興味深そうに紙とレグルスさまを眺めて、すっと手を上げた。
「それは誰でも書けるものですか?」
「ちょっとコツがいるけど、まぁ誰でも書こうと思えば書けるんじゃないかな」
「私でも?」
ワクワクとした表情のクロエ。ブースターが書けるようになったら、いろいろな使い道がありそうね。わたくしも気になるわ。
「集中力がある人なら、きっと書けると思う。その前にどんな効果にしたいのかを考えないといけないけどね」
紙をブレンさまに戻すレグルスさま。どうやら紙に書けるのはブースターの効果だけではなさそうね。どんな効果があるのを書けるのかしら?
そう考えているとカースティン男爵邸についた。
レグルスさまたちの会話が弾んだおかげで、あっという間だったわ。
わたくしたちが馬車を降りようとすると、マーセルが玄関から飛び出してきた。馬車に気付くと……いいえ、この場合わたくしたちに気付くと、ね。彼女はズンズンと近付いてきて、「カミラさま! お願いがございます!」と大きな声を上げた。
「リンブルグっていろんな文化があるんだよ。これも、その一つ」
「ブースターとおっしゃっていましたよね」
「ああ。この紙に書いたのは、ブレンの能力を上げるためのまじない」
まじない? とその紙に書かれているものをじっと見つめた。クロエも興味深そうに紙とレグルスさまを眺めて、すっと手を上げた。
「それは誰でも書けるものですか?」
「ちょっとコツがいるけど、まぁ誰でも書こうと思えば書けるんじゃないかな」
「私でも?」
ワクワクとした表情のクロエ。ブースターが書けるようになったら、いろいろな使い道がありそうね。わたくしも気になるわ。
「集中力がある人なら、きっと書けると思う。その前にどんな効果にしたいのかを考えないといけないけどね」
紙をブレンさまに戻すレグルスさま。どうやら紙に書けるのはブースターの効果だけではなさそうね。どんな効果があるのを書けるのかしら?
そう考えているとカースティン男爵邸についた。
レグルスさまたちの会話が弾んだおかげで、あっという間だったわ。
わたくしたちが馬車を降りようとすると、マーセルが玄関から飛び出してきた。馬車に気付くと……いいえ、この場合わたくしたちに気付くと、ね。彼女はズンズンと近付いてきて、「カミラさま! お願いがございます!」と大きな声を上げた。