【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
グラエル陛下とレグルスさまでは、レグルスさまのほうが押し負けそうになっていた。マティス殿下と一騎打ちをしたあとだもの、きっとレグルスさまは疲れているわ。
ぎゅっと、ブレンさまから渡されたお札を握りしめて、心の底から祈る。
――どうか、お願い。レグルスさまに、力を――……!
わたくしの祈りが届いたのか、弾かれたようにこちらを見るレグルスさま。その瞳には驚愕が浮かび、それからすぐに白い歯を見せた。
「よそ見とは、余裕だな!」
「勝利の女神のおかげでね!」
押し負けそうになっていたレグルスさまが、押し返してきたことにグラエル陛下は忌々しそうに眉間に皺を刻む。
ぐぐぐ、とグラエル陛下が押し負けはじめ、騎士たちはそれを見て一気に勢いよく突撃していった。
「レグルスさま!」
あのまま、そこにいたら巻き込まれてしまうんじゃないかと声を上げると、彼はタイミングを見計らったようにグラエル陛下から離れた。その反動でぐらりと陛下の身体がよろめく。
「――っ!」
グラエル陛下の魔力が膨らんでいるような気がして、彼の魔力を覆うようにバリアの魔法を使う。わたくしとグラエル陛下では、おそらくわたくしのほうが負けてしまう。
――それでも、この騒動を終わらせなければいけない。そう、強く思った。
ぎゅっと、ブレンさまから渡されたお札を握りしめて、心の底から祈る。
――どうか、お願い。レグルスさまに、力を――……!
わたくしの祈りが届いたのか、弾かれたようにこちらを見るレグルスさま。その瞳には驚愕が浮かび、それからすぐに白い歯を見せた。
「よそ見とは、余裕だな!」
「勝利の女神のおかげでね!」
押し負けそうになっていたレグルスさまが、押し返してきたことにグラエル陛下は忌々しそうに眉間に皺を刻む。
ぐぐぐ、とグラエル陛下が押し負けはじめ、騎士たちはそれを見て一気に勢いよく突撃していった。
「レグルスさま!」
あのまま、そこにいたら巻き込まれてしまうんじゃないかと声を上げると、彼はタイミングを見計らったようにグラエル陛下から離れた。その反動でぐらりと陛下の身体がよろめく。
「――っ!」
グラエル陛下の魔力が膨らんでいるような気がして、彼の魔力を覆うようにバリアの魔法を使う。わたくしとグラエル陛下では、おそらくわたくしのほうが負けてしまう。
――それでも、この騒動を終わらせなければいけない。そう、強く思った。