【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
これが、わたくしの決断。(完)
それから――三日ほど、わたくしは寝込んだらしい。クロエが一生懸命に世話をしてくれた、とレグルスさまたちから聞いた。ブレンさまが考えるに、今まで使わなかった神聖力を一気に解放したから、身体がついていかなかったとのこと。
神聖力が身体に馴染んだのか、今はとても身体が軽いわ。
「体調はもう、本当に大丈夫なのかい?」
「ええ。もうすっかり! それに、わたくしはもうこの国に未練はありませんの」
心配そうに眉を下げるレグルスさまに、にっこりと微笑んでみせた。
彼はじっとわたくしを眺めて、肩をすくめる。
「学園も無事に長期休暇に入りましたし、わたくしたちはさっくりと卒業しましたし、空は晴れていますし! 絶好の旅立ち日和だとは思いませんか、レグルスさま?」
――そう、わたくしたちは、学園を卒業し、今日旅立つ予定だ。
身体が戻ってから、魔術師学科の先生に、卒業試験を早めに受けられないか打診した。先生には目を丸くされたけれど、これからのわたくしの人生を考えた結果だと力説して、承諾してもらったの。
レグルスさまとブレンさまも、目的を果たしたからこの国にいる理由はない、とのことで……結局わたくしたち三人は、他の学生たちより一足飛びに卒業したのだ。
クロエも退職届を出して、すぐに受理されたらしい。
「――本当にいいのかい? このまま旅立って」
「ええ、構いませんわ。マティス殿下とマーセルから、慰謝料もたっぷりいただきましたしね」
マーセルからは『教えていただいたことを、絶対に忘れません。今まで本当に申し訳ありませんでした。そして、ありがとうございます』と丁寧に頭を下げられたわ。
マティス殿下もぶっきらぼうに、『お前に嫉妬していた。そして、お前は強いから大丈夫だと思っていた。……悪かったな』とたどたどしく言われたの。まさか、彼からそう言われるとは思わなかったから、驚いてしまったのよね。
神聖力が身体に馴染んだのか、今はとても身体が軽いわ。
「体調はもう、本当に大丈夫なのかい?」
「ええ。もうすっかり! それに、わたくしはもうこの国に未練はありませんの」
心配そうに眉を下げるレグルスさまに、にっこりと微笑んでみせた。
彼はじっとわたくしを眺めて、肩をすくめる。
「学園も無事に長期休暇に入りましたし、わたくしたちはさっくりと卒業しましたし、空は晴れていますし! 絶好の旅立ち日和だとは思いませんか、レグルスさま?」
――そう、わたくしたちは、学園を卒業し、今日旅立つ予定だ。
身体が戻ってから、魔術師学科の先生に、卒業試験を早めに受けられないか打診した。先生には目を丸くされたけれど、これからのわたくしの人生を考えた結果だと力説して、承諾してもらったの。
レグルスさまとブレンさまも、目的を果たしたからこの国にいる理由はない、とのことで……結局わたくしたち三人は、他の学生たちより一足飛びに卒業したのだ。
クロエも退職届を出して、すぐに受理されたらしい。
「――本当にいいのかい? このまま旅立って」
「ええ、構いませんわ。マティス殿下とマーセルから、慰謝料もたっぷりいただきましたしね」
マーセルからは『教えていただいたことを、絶対に忘れません。今まで本当に申し訳ありませんでした。そして、ありがとうございます』と丁寧に頭を下げられたわ。
マティス殿下もぶっきらぼうに、『お前に嫉妬していた。そして、お前は強いから大丈夫だと思っていた。……悪かったな』とたどたどしく言われたの。まさか、彼からそう言われるとは思わなかったから、驚いてしまったのよね。