【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
一人目はレグルスさまだ。彼はわたくしに興味を持ったというよりは、この状況に興味を抱いたようだったけれど。
「クロエ、今日の放課後は時間があるかしら?」
「え、ええ。あります」
「なら、少し付き合ってくださらない?」
クロエに放課後、レグルスさまと話すことを伝えると、彼女は神妙な面持ちでうなずいた。
騎士学科でありながら、レグルスさまは魔術師として素質を持っているのだと思う。
わたくしたちの国でいう『魔術師』とは、主に戦闘面でのこと。生活魔法は誰でも使えるしね。おそらく、『マーセル』以外。
入れ替わっただけで、魔法が使えなくなるのって不思議よね。
「あ、そろそろ授業が始まりますね」
「そうね、ありがとう、クロエ。話し相手になってくれて」
「いいえ、カミラさま。それでは、放課後に」
すっと頭を下げてから、クロエは歩いていった。
わたくしも授業が始まる前に教室に向かう。鐘の音が、授業開始五分前を教えてくれた。
今日の授業……ダンスレッスン。マティス殿下と踊ることになるのかしら。できれば、彼には他の人とも踊ってもらいたい。第一王子なのだし……『マーセル』だけを贔屓するのは良くないし、ね。
ぼんやりと考えながらホールに足を踏み入れる。身体を動かすことは嫌いじゃないから、ダンスレッスンはちょっと楽しみでもあるのよ。
「クロエ、今日の放課後は時間があるかしら?」
「え、ええ。あります」
「なら、少し付き合ってくださらない?」
クロエに放課後、レグルスさまと話すことを伝えると、彼女は神妙な面持ちでうなずいた。
騎士学科でありながら、レグルスさまは魔術師として素質を持っているのだと思う。
わたくしたちの国でいう『魔術師』とは、主に戦闘面でのこと。生活魔法は誰でも使えるしね。おそらく、『マーセル』以外。
入れ替わっただけで、魔法が使えなくなるのって不思議よね。
「あ、そろそろ授業が始まりますね」
「そうね、ありがとう、クロエ。話し相手になってくれて」
「いいえ、カミラさま。それでは、放課後に」
すっと頭を下げてから、クロエは歩いていった。
わたくしも授業が始まる前に教室に向かう。鐘の音が、授業開始五分前を教えてくれた。
今日の授業……ダンスレッスン。マティス殿下と踊ることになるのかしら。できれば、彼には他の人とも踊ってもらいたい。第一王子なのだし……『マーセル』だけを贔屓するのは良くないし、ね。
ぼんやりと考えながらホールに足を踏み入れる。身体を動かすことは嫌いじゃないから、ダンスレッスンはちょっと楽しみでもあるのよ。