〜Midnight Eden〜 episode4.【月影】
港区虎ノ門に権高《けんだか》な装いで建つタワーマンションの地下駐車場からシャトルエレベーターに乗り込んだ木崎愁は、スカイロビーでエレベーターを乗り換え、最上階の夏木十蔵邸に向かった。
今夜は日浦も家政婦もいない。自宅には夏木ひとりだった。
『急ぎの仕事はなかったはずですが、何か?』
『今日は舞はどうしていた?』
『俺もいちいち舞の行動のすべてを把握していませんよ。学校の友達と遊びに出掛けると伶からは聞いています。門限は21時ですし、もう帰ってきているでしょう。会長が舞の予定を気にするとは珍しいですね』
『それが本当に学校の友達なら私も文句はない』
夏木のしかめ面は毎度のことでも、今夜は彼の表情がやけに強張っている。口調も刺々しい。
無言の夏木はノートパソコンの画面を愁に向けた。パソコンには動画ファイルのデータが取り込まれている。
『これは?』
『とにかく動画を再生してみろ』
数秒待った後に再生された動画には一目で情事の最中とわかる裸の男と裸の女が映っている。男は中年、女はどう見ても未成年だ。
{──んっ、そこぉ、あっん、気持ちいぃ……──}
聴こえてきた甘い声は紛れもなく舞の声。ベッドに座る舞は、両脚を左右に大きく広げた姿勢で男に背後から抱き抱えられている。
舞の下半身の中心部に沈む男の手が卑猥に動くたび、舞は甲高く鳴いて法悦の表情を見せた。
『……舞と一緒に映っている男の身元は?』
『雨宮冬悟。雨宮の分家長男だ』
『じゃあ……まさか……』
動揺の間に映像が別アングルに切り替わる。ベッドに折り重なる二人は腰を小刻みに動かしながらキスをしていた。
{──ああ、舞ちゃんのM字開脚からの騎乗位、いい眺めだなぁ。僕からは舞ちゃんのエッチなところが丸見えだよ── }
{──あっ、だって、あっ……ん、よしださんがッ、今日はM字で上に乗ってってぇ、あんっ、言ったんだ……よぉ……あぁっ──}
男の口調はカメラを意識したわざとらしい説明口調だ。
男の上に脚を開いて跨る舞が上下に腰を振るリズムに呼応して、激しく軋むベッドの音。映し出される舞のあられもない姿。
男と女の結合部から漏れる水音も舞の喘ぎ声も聴きたくもない。本音は今すぐ見た映像を記憶から抹消したかった。
今夜は日浦も家政婦もいない。自宅には夏木ひとりだった。
『急ぎの仕事はなかったはずですが、何か?』
『今日は舞はどうしていた?』
『俺もいちいち舞の行動のすべてを把握していませんよ。学校の友達と遊びに出掛けると伶からは聞いています。門限は21時ですし、もう帰ってきているでしょう。会長が舞の予定を気にするとは珍しいですね』
『それが本当に学校の友達なら私も文句はない』
夏木のしかめ面は毎度のことでも、今夜は彼の表情がやけに強張っている。口調も刺々しい。
無言の夏木はノートパソコンの画面を愁に向けた。パソコンには動画ファイルのデータが取り込まれている。
『これは?』
『とにかく動画を再生してみろ』
数秒待った後に再生された動画には一目で情事の最中とわかる裸の男と裸の女が映っている。男は中年、女はどう見ても未成年だ。
{──んっ、そこぉ、あっん、気持ちいぃ……──}
聴こえてきた甘い声は紛れもなく舞の声。ベッドに座る舞は、両脚を左右に大きく広げた姿勢で男に背後から抱き抱えられている。
舞の下半身の中心部に沈む男の手が卑猥に動くたび、舞は甲高く鳴いて法悦の表情を見せた。
『……舞と一緒に映っている男の身元は?』
『雨宮冬悟。雨宮の分家長男だ』
『じゃあ……まさか……』
動揺の間に映像が別アングルに切り替わる。ベッドに折り重なる二人は腰を小刻みに動かしながらキスをしていた。
{──ああ、舞ちゃんのM字開脚からの騎乗位、いい眺めだなぁ。僕からは舞ちゃんのエッチなところが丸見えだよ── }
{──あっ、だって、あっ……ん、よしださんがッ、今日はM字で上に乗ってってぇ、あんっ、言ったんだ……よぉ……あぁっ──}
男の口調はカメラを意識したわざとらしい説明口調だ。
男の上に脚を開いて跨る舞が上下に腰を振るリズムに呼応して、激しく軋むベッドの音。映し出される舞のあられもない姿。
男と女の結合部から漏れる水音も舞の喘ぎ声も聴きたくもない。本音は今すぐ見た映像を記憶から抹消したかった。