すべての想いは君とふたりで

「久しぶり〜!」

そう言いながら、駆け寄って来る翔くん。

金髪は相変わらずなんだなぁと、少し懐かしい気持ちになった。

「久しぶり。」
「花ちゃん、家この辺だっけ?」
「実家は違うけど、昨日引っ越して来たばかりなんだぁ。」
「え、もしかして一人暮らし?」

翔くんにそう訊かれ、言葉に詰まるわたし。

翔くんはわたしの反応から、「もしかして、彼氏と?」と言った。

「彼氏ではないんだけど、、、婚約者?」
「え?!婚約?!」
「お父さんに勝手に決められたの。わたしの人生なのに、、、勝手に決めないで欲しいよね。」

俯き話すわたしの言葉に、翔くんは何と言っていいか分からない様子だった。

「あ、相手の男は?どんな奴?」
「25歳の弁護士。」
「弁護士?!」
「お父さんの知り合いの息子なんだって。」

わたしはそう言ったあと、また神社の方を向き、「こんなはずじゃなかったのになぁ、、、。神様なんていないよね。わたしの願い、叶えてくれなかったもん。」と言った。

「、、、あれから、大和さんとは会った?」
「ううん、会ってないよ。」
「家の場所は?」
「知らない。」
「大和さん、今日は仕事午前中だけで、今もう家に居るはずだけど、、、会いに行く?」

翔くんの言葉にわたしの緊張感は一気に高まる。

わたしの選択肢は一択しかなかった。

「行く!!!」

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