すべての想いは君とふたりで
少し待つと、中から足音が聞こえて来て、玄関のドアが開いた。
開いたドアの隙間から見えたのは、あの頃と変わらぬ大和の姿だった。
大和はシャワーを浴びていたのか、上半身裸で首からタオルを下げ、黒髪はまだ濡れたままで無造作だった。
わたしの姿を見た大和は、目を見開き「花、、、。」と驚いていた。
「、、、久しぶり。」
「何でここに?」
「偶然、翔くんに会って、、、大和の家教えてもらった。」
わたしがそう言うと、大和は「さっきのバイク音、やっぱり翔だったのか。」と言いながら、首から下がるタオルで髪の毛を拭いた。
「こんなとこに来たら、親父さんに怒られるぞ。」
「大丈夫。わたし、もう実家に住んでないから。」
「実家出たのか?」
「まぁ、、、ちょっと事情があって、、、。」
大和は、少し考えたあと「入れ。」と言ってくれた。
わたしは拒否されなかったことに喜びながら、「お邪魔します。」と、大和の家の中に入った。
大和の家はワンルームで必要最低限の物しかない殺風景な部屋だった。
大和は、Tシャツを着るとベッドに腰を掛け、突っ立っているわたしを見て、「座らないのか?」と言った。
わたしはどうしていいか分からず、大和と向かい合うように床に座った。