すべての想いは君とふたりで
「元気だったか?」
落ち着いた優しい大和の声。
わたしは、この声が大好きだった。
「うん、まぁ、元気、、、かな。」
「高校は?」
「卒業したばっかり。」
「そうか、おめでとう。」
「ありがとう、、、。」
久しぶりのぎこちない会話。
あんな別れ方をしてしまったから、お互いにどう接して良いのか手探り状態だった。
「今は、何してるんだ?就職か?進学か?」
大和にそう訊かれ、返答に困るわたし。
わたしは意を決して、「専業主婦、、、みたいな?」と答えた。
「えっ?」
「お父さんに勝手に婚約させられて、、、。ねぇ、大和。わたし、、、まだ大和のことが好きなの。忘れられないの。だから、、、」
「そっか、婚約かぁ。おめでとう。」
「大和、、、わたしは、別にその人と結婚したいわけじゃないの!」
「でも、せっかく親父さんが見つけてきてくれた人なんだから、ちゃんとした奴なんだろ?」
「一応、弁護士だけど、、、。」
「弁護士と結婚なんて凄いじゃん。そいつなら、花を幸せにしてくれるんじゃないか?」
大和のその言葉がショックで、わたしは涙が溢れそうになった。
「大和は本当に、、、その人と結婚した方が、わたしは幸せだと思うの?」
「俺には何もない。元暴走族の総長っていう世間からしたら最悪の肩書に、大した金も無くて裕福とは言えない。俺には、、、花と一緒に居る資格がないから。」
大和はそう言うと俯き、溜め息をついた。