すべての想いは君とふたりで
わたしは今日あったことから切ない気持ちを隠していたつもりだったけれど、律樹さんには見抜かれてしまっていた。
それから律樹さんは、帰宅してからのルーティンの中に「わたしを抱きしめる」ことを追加してくれた。
どうやら、1人で家にいる時間が長い為、寂しい思いをさせてしまっていると思っているようだった。
その気持ちが嬉しくて、わたしは律樹さんの思いやりを「抱きしめる」という行為と共に受け止めた。
そして、同棲開始から1週間が経とうとしている時だった。
珍しく律樹さんは残業もなく定時で帰宅し、一緒に食事を摂ることが出来た。
「花さんは、今日何をして過ごされてたんですか?」
「今日は午前中に掃除と洗濯を済ませてから、お昼に買い物に行きました。帰りは散歩がてら遠回りして帰って来たんですけど、途中に公園があって、小さい子がお母さんに付き添われて滑り台で遊んでいて。子どもって可愛いですよね。」
わたしはそう言ったあと、グラスに入った烏龍茶を飲んだ。
「花さんは、子どもを望むなら、何人欲しいとかありますか?」
「ん〜子どもは、授かりものですけど、出来れば2人は欲しいですかね。」
わたしがそう答えると、律樹さんは「僕もそう思っていました。僕は一人っ子だったので、子どもには兄弟を作ってあげたいなぁって。」と言った。
律樹さんは、最初会った時の律樹さんとは違い、だんだんと堅苦しさが和らぎ、表情も出てきたように感じた。
律樹さんとの子どもかぁ、、、
結婚すれば、次は子どもってなるのが自然だよね。
しかし、わたしには律樹さんと結婚し、子どもを授かる未来がまだまだ想像出来なかった。