すべての想いは君とふたりで
"キスをしてもいいですか?"なんて言われたのは初めてで、わたしは一瞬戸惑ったが、勇気を出して言ってくれた律樹さんの気持ちに応えたかった。
「、、、はい、いいですよ。」
わたしの返事に律樹さんは、ゆっくりとわたしに顔を寄せ、わたしは目を閉じた。
すると、そっとぎこちなくわたしの唇に律樹さんの唇が触れるのを感じた。
律樹さんはすぐに唇を離すと、「照れますね。」と耳を赤く染めていた。
律樹さんは年上だけれど、ピュアで一生懸命な姿にわたしは律樹さんを"可愛い"と思った。
わたしは律樹さんに抱きつくと、「照れますね。」と答えた、それから律樹さんを見上げると、今度はわたしからそっと短いキスをした。
律樹さんは一瞬驚いたような表情を浮かべたが、すぐに微笑みに変わり、わたしを抱きしめた。
わたしは律樹さんに抱きしめられながら、自分の初めてのキスのことを思い出していた。
夜の海沿いをバイクで走っていて、少し休憩して月が浮かぶ夜の海を眺めている時に、大和からされた不意打ちのキス。
わたしが照れながら驚いていると、大和はわたしの頬に手を添えて、二度目のキスをしたのだ。
忘れもしない、わたしのファーストキス。
でも、もう大和とキスを交わすことはない。
切ない気持ちになったわたしは、律樹さんの腰に回した腕に力を込め、懸命にその思い出を紛らわそうとした。