すべての想いは君とふたりで
「このくらいで大丈夫ですか?」
「大丈夫だと思います。」
それから律樹さんは、ベッドの頭上にある小さな引き出しから避妊具を一つ取り出した。
そして、律樹さんは自分でボクサーパンツを脱ぐと、避妊具の袋を開ける。
しかし、避妊具を装着するのに手こずっていたので、わたしは「これ逆じゃないですか?」と装着を手伝ってあげた。
「すいません、ありがとうございます。」
「大丈夫ですよ。」
わたしはそう言うと、ベッドに横になり、足を少し開いて立てた。
律樹さんの表情は緊張で強張っており、わたしの立てた足の隙間に膝を滑り込ませ、わたしに覆いかぶさるように挿入の体勢に入った。
わたしは両手で律樹さんの頬に触れると、「そんなに緊張しなくて大丈夫ですよ。心のままに、です。」と言った。
律樹さんはその言葉に表情を緩めると、「そうでした。」と言い、それから「それじゃあ、挿入しますね。」と言った。
「はい。」
わたしの言葉に律樹さんは手探りでわたしの中にゆっくりと入ってきた。
久しぶりのこの感覚にわたしは目を閉じた。
すると、思い浮かんだのは大和の顔だった。
初めてだったわたしに「大丈夫か?」「痛くないか?」と訊きながら、ゆっくり進めてくれたんだったなぁ。
「花さん、大丈夫ですか?痛いですか?」
律樹さんの不安気な言葉にわたしはハッとする。
気が付けば、わたしは涙を流していたのだった。